グレイスケール・ビットコイン・トラスト、ディスカウント率が縮小──8週間ぶりの水準に

グレイスケール・ビットコイン・トラスト(Grayscale Bitcoin Trust:GBTC)のディスカウント率が8週間ぶりの水準まで回復している。

運用資産残高100億ドルを超えるGBTCは年初から17.5%上昇、一方、ビットコイン(BTC)は約5%上昇して、約1万7300ドル。このため、GBTCのビットコインに対するディスカウント率は、2022年末の45%から、8週間ぶりに約38%にまで縮小した。ディスカウント率は12月に過去最高の50%を記録していた。

2022年初め、ディスカウントは20%台だった。2021年初めより以前の数年間は、しばしば相当なプレミアムで取引されていた。

「GBTCのディスカウント率が縮小していることは、トレーダーが、GBTCの完全な解消、あるいはグレイスケールが完全もしくは部分的な払い戻しを強いられることのいずれかに賭けたためかもしれない」とファンドストラット(Fundstrat)のデジタル資産戦略責任者ショーン・ファレル(Sean Farrell)氏は述べた。「しかし、取引高が非常に少なく、流動性が低いため、まだ結論を出すことは難しい」。

グレイスケールは2022年、GBTCのETF(上場投資信託)への転換を申請したが、SEC(証券取引委員会)はこれを却下。同社は、SECを提訴した。

 出典:YCharts

一方、GBTCの投資家は、グレースケールの親会社デジタル・カレンシー・グループ(DCG)に対して、大幅なディスカウント率に対処するよう圧力を強め、GBTCを清算するか、少なくともグレイスケールに払い戻しを許可することを求める声が上がっていた。ヘッジファンドFir Treeは2022年末、グレイスケールを提訴し、手数料を引き下げ、ディスカウント率がを縮小する手段として払い戻しを再開するよう求めている。

年初からのGBTCの動きと同様に、暗号資産取引大手の米コインベース(Coinbase)、ビットコインマイニング企業のマラソンデジタル(Marathon Digital)およびライオット・プラットフォーム(Riot Platforms)の株価も大幅に上昇している。これら3社はいずれも2022年、株価が75%超下落していた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:Grayscale Bitcoin Trust Discount Narrows to 8-Week Low as DCG Faces Pressure