ハモンド元財務相、イギリスが暗号資産政策で遅れを取っていると指摘:報道

イギリスの元財務大臣で、暗号資産カストディアンのコッパー(Copper)の新会長に指名されたフィリップ・ハモンド(Philip Hammond)氏は、イギリスが暗号資産(仮想通貨)のハブとしての地位を確立する上で、近隣諸国に遅れを取ってしまっていると述べた。

ハモンド氏はフィナンシャルタイムズ(Financial Times)とのインタビューで、イギリスはデジタル資産のより効果的な規制を確立する努力を加速する必要があると述べた。

昨年、現在の首相である当時のリシ・スナック(Rishi Sunak)財務大臣は、ステーブルコインを国の決済システムに導入する計画など、イギリスを暗号資産のハブにする野心を表明した。暗号資産の管理方法に関する政策文書の提出が大きく遅れているが、財務省のアンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)財政担当官は今週、「数カ月ではなく、確実に数週間のうちに用意できるだろう」と述べた。

ハモンド氏は「イギリスはEUを離脱した後、この分野をリードする必要がある」と述べた。

「スイスはもっと先を行っている。EUも動きが早い。ある程度のリスクを取る意欲が必要だ」

コッパーは昨年、イギリスの金融行動監視機構(FCA)への登録申請を取り下げ、スイスに軸足を移した企業の一つだ。ハモンド氏は、この動きをFCAの対応の遅さのせいだとし、コッパーは将来的にイギリスに戻ることを望んでいると述べた。

2016年から2019年までイギリスの財務大臣を務めたハモンド氏は、2021年にアドバイザーとしてコッパーに参加した。

また、ハモンド氏はフィナンシャルタイムズに対し、コッパーは資金調達ラウンドの最終決定に近づいており、同社の価値は20億ドル(約2600億円)になる見込みだと語った。コッパーは前回、昨年10月に1億9600万ドル(約254億円)を調達した。その時の評価額は公表されていない。

コッパーは米CoinDeskのコメント要請に対し、まだ返答していない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:フィリップ・ハモンド元財務大臣(Shutterstock)
|原文:Ex-UK Chancellor Philip Hammond Urges Accelerated Efforts to Become Crypto Hub: FT