「暗号資産」という用語、アフリカ最大国のお金とクリプト事情【日曜日に読みたい厳選10本】

「暗号資産」という用語が今、「Have Fun Staying Poor(貧乏なままでいることを楽しんで)」と公言する一部の暗号資産支持者や、「トークンカジノ」とも呼ぶ人もいる投機的な側面と広く関連づけられていることは明らかだ──この1週間に公開されたコラムやインタビューから、日曜日に読みたい10本を厳選。

「暗号資産」という用語は変えた方がよいか

「Great Reset(グレート・リセット)」など忘れよう。「FTX」という危機の影をひきずってダボス会議に参加した「暗号資産」、あるいは「ブロックチェーン」「デジタル資産」「分散型台帳テクノロジー」業界の関係者は、壮大なリブランディングを求めている。

FTXの破綻を受けて、「暗号資産」や「NFT」という言葉は、この技術を実用性のない戯言と拒絶する懐疑派を、より刺激する言葉となっている。2018年のICO(新規コイン公開)バブルの頃の「ブロックチェーン」という言葉に匹敵するほどだ。…続きを読む

ゼロ知識証明、ステーキング、MEV──弱気相場でも好調なイーサリアムのテクノロジートレンドとは

1年前、暗号資産関連の記者の受信ボックスは新興のDeFi(分散型金融)企業やNFTプロジェクトからの資金調達の発表メールであふれていた。アルゴリズム型ステーブルコインからイールドファーミング・プラットフォーム、メタバースでの土地販売など、新しいストーリーはそれぞれ、ベンチャーキャピタリストから何億ドルもの資金を集めていた。

それが今、受信ボックスに届くメールは減り、もはや新しいバズワードだけで1000万ドルのシードラウンドを成功させることはできないようだ。…続きを読む

アフリカ最大国のお金とクリプト事情:ナイジェリアで唯一稼働するビットコイン・ライトニングノードを動かす「Megasley」の正体

アフリカ大陸で最大の経済規模を誇るナイジェリアで、同国では唯一稼働可能な「ビットコイン・ライトニングノード」の稼働がスタートした。中古で手に入れたディーゼル発電機と、HP製のノートPCを使い、ビットコインブロックチェーンのセカンドレイヤーで決済を行うためのノードが1月から、同国最大の都市・ラゴスで動き始めた。

この取り組みを開始したのは、ツイッターやテレグラムで「Megasley」のユーザーネームを持つナイジェリア南部で生まれ育った20代。…続きを読む

残念なポルシェのNFTデビュー:Web3参入を目論む大手企業への教訓

(OpenSea)

「本物のポルシェを買ってもいいんだよね?」とNFTオーナーシッププラットフォーム、トークンプルーフ(Tokenproof)のアルフォンソ・オルベラ(Alfonso Olvera)CEOは1月24日にツイートした。

オルベラ氏の冗談めかしたツイートは、ドイツの有名スポーツカーメーカー、ポルシェ(Porsche)の初のNFTコレクションに対するNFTコミュニティの一部の反応を反映している。…続きを読む

インスタグラムのNFT機能、成功の秘密──完売が続出

インスタグラムは月間アクティブユーザーが約20億人と、世界でも最大のSNSプラットフォームの1つ。親会社のメタ(旧フェイスブック)は昨年、限られたユーザーがデジタルウォレットを接続し、作成または購入したNFTを紹介できる機能のテスト運用を開始した。

NFTクリエーターやコレクターは、Web3に興味を持つ消費者に自身のNFTをアピールできるチャンスとなると考え、この機能は人気を集めた。またインスタグラムがサポートしたことで、NFTがようやくメインストリームに普及すると示唆する声もあった。…続きを読む。

2023年、規制当局はついに暗号資産を理解するか?

暗号資産は2023年、なかなか幸先の良いスタートを切ったようだ。

いくつかの暗号資産プロジェクトの不安定さは、少なくとも一時的に落ち着いたようで、壊滅的なニュースはこの数週間、目にしていない。

暗号資産価格は上がり、マイナーたちはマイニング機器を再稼働させる準備が整っているようだ。個人投機家たちも再び、貪るように市場に目を光らせている。…続きを読む

FTX破綻で明確に、保険義務化の必要性

第2のFTXを防ぐためには、新しい、どのような規制が必要かについて、お決まりの議論が繰り広げられている。何かが必要なことは明らかだが、これまでの経験から考えると、今の規制当局は再発を防ぐために十分な力を備えていない。

例えば、米証券取引委員会(SEC)がWeb3を十分に規制するために必要な知識と能力を備えていたとしても、その影響力はアメリカ国内にとどまる。バハマに本拠地を置くFTXの事例では、その影響力は240kmほど足りなかった。…続きを読む

暗号資産とAI──対立する信念、権威主義的な悪夢

ここ半年、AI (人工知能)の開発はとりわけ目覚ましい進展を見せている。Midjourneyなどの画像生成AIや、ChatGPTなどのテキスト生成AIは多くの人を魅了し、さまざまな議論も巻き起こっている。自動運転カーとは異なり、これらのアプリケーションはすでに現実のビジネス展開の準備が整っているようだ。

これは、パブリックブロックチェーンや分散型コンピューティングに重点を置いた暗号資産イノベーターにとって問題となるかもしれない。…続きを読む

小規模な取引所ビッツラートのロシア人創業者を起訴、米当局の本当の狙いは?

米司法省は1月18日、暗号資産(仮想通貨)について記者会見を行うと発表し、業界関係者を慌てさせた。多くの人は不安に駆られた。ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は約5%下落した。

FTXの破綻、暗号資産コングロマリット(そして、米CoinDeskの親会社)であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)にまつわる不安(傘下のジェネシス・グローバルが破産を申請)、取引高世界最大の暗号資産取引所バイナンスへの数年に対する調査など、暗号資産業界では最近、いろいろなことが起きていたためだ。…続きを読む

Web3の未来にはシームレスなインフラが不可欠

私が勤める暗号資産インフラ企業のブロックデーモン(Blockdaemon)は、Web3の未来はシームレスなユーザーエクスペリエンス(UX)を基盤にして構築されると予測している。すなわち、シームレスな利用、シームレスな収益化、そしてシームレスなガバナンスだ。

Web3プロジェクトの成功は、このようなシームレスなエクスペリエンスをブロックチェーン分野の開発者や企業を含め、すべてのユーザーに届けられるかどうかにかかっている。…続きを読む

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
|画像:Megasley提供