さよなら、ビットコイン弱気相場/暗号資産の歴史を10年伝えてきて学んだこと【日曜日に読みたい厳選10本】

暗号資産の精神は、失敗は革新的な成長に欠かせないと考えるオープンソース開発の原則の上に成り立っている──今週公開されたコラムやインタビューから、日曜日に読みたい10本を厳選。

さようなら、ビットコイン弱気相場

2022年から2023年にかけてのビットコイン(BTC)弱気相場は厳しかった。2018年から2019年にかけての弱気相場のときもビットコインを保有していた私としては、今回は少し短く、下落幅は前回ほど劇的ではなかったとはいえ、同じくらいつらい経験だった。

今回の方が投資額が大きかったことが、厳しさを感じた理由だったのかもしれない。あるいはメインストリームのメディアの報道が、もっと事実に基づいたものであって欲しいという希望が打ち砕かれたからかもしれない。…続きを読む

最後の「暗号資産の冬」を楽しもう

スキー板は履いているだろうか? まだならしっかり履いて、楽しんで欲しい。最後の「暗号資産の冬」になるのだから。これまでに「暗号資産の冬」は2、3回あったが、今回が最悪で、最もフラストレーションが溜まるものだった。

だがありがたいことに、これが最後の冬になりそうだ。理由は、暗号資産とブロックチェーンは、規制された普通のビジネスになりつつあるから。…続きを読む

米CoinDesk10周年:暗号資産の歴史を10年伝えてきて学んだこと

私たちジャーナリストは恵まれた立場にいる。よく言われるように、歴史の最初の1ページを記すことができる。

CoinDeskでのキャリアほど、それを実感したことはない。暗号資産とブロックチェーンエコノミーの動向と浮き沈みを伝えてきた10年を経ても、この世界はまだ新鮮で、日々、見知らぬもののように感じる。これからもまだまだ、数多くのストーリーが生まれるだろう。…続きを読む

イーサリアムを「公共財」と捉え、守るために【オピニオン】

「公共財」という言葉自体は近代以前まで遡るが、公共財を定義するために初めて確固たる枠組みが作られたのは1950年代のことだ。最初は経済学者のポール・サミュエルソン、その後に同じく経済学者のリチャード・マスグレイブが「非競合性」「排除不可能性」といった今でもよく使われる言葉の定義を確立した。

きれいな空気、公園、道路、国の安全保障などが公共財の例としてあげられる。…続きを読む

盛り上がる「BRC-20トークン」、その可能性とリスク

暗号資産に新たな盛り上がりが生まれている。いわゆる「BRC-20トークン」はビットコインブロックチェーン上で展開される新たなトークンで、一部は市場で大きな動きを見せ始めている。BRC-20規格は、ネット上で「Domo」と呼ばれる開発者が3月に発表、多くの興味深い可能性を秘めている。

ビットコインブロックチェーン上のトークンは、決して新しいアイデアではない。実際、初期の実験的取り組みである「カラードコイン(colored coin)」は、同じようなことを目指していた。…続きを読む

ビットコインと「安全」の定義の変化

日常生活で「マズローの欲求5段階説」について考えるような状況はほとんどない。人間が成功のために求める欲求を5つのレイヤーに重ねた三角形だ。だが下の方に位置する欲求が満たされなくなると、途端に気になるものだ。

ちなみに、学者の多くがマズローの意見に同意していない、そしてマズロー自身はピラミッドで表現していなかったことはよく知られている。…続きを読む

Web3開発はビットコインで進めるべき

ビットコインコミュニティにおける根源的な議論がBitcoin Ordinalsの登場で再び活発になっている。ビットコインブロックチェーンで開発を行うべきか否かという議論だ。

ビットコインブロックチェーンで新しいアプリケーションを開発すれば、最も安全でレジリエント、流動性のあるネットワークをWeb3開発に活用できるというメリットがある。…続きを読む

暗号資産におけるテクニカル分析の大切さ

テクニカル分析(TA)は資産価格に基づいた確かな手法と考える人たちがいる。しかし一方で、スクリーン上に表示される線と自己実現的な予言に過ぎないとして、関心を払う必要などまったくないと考える人たちもいる。

TradFi(伝統的金融)の世界で働いていた時の私は多くの場合、後者のような考え方をしていた。…続きを読む

部分準備銀行制度は詐欺(だが天才)

アメリカ史上2番目の規模となったファースト・リバブリック・バンクの破綻とその救済は、世界の銀行システムにおける支払い能力と流動性について深刻な疑問を提起した。

銀行は本来、退屈だが実直な事業を展開しているはずだ。顧客は銀行口座に預金を預けて安全に保管してもらい、使いたい時にはいつでも引き出しができる。そして、おおむねこのシステムは機能している。…続きを読む

岸田首相訪問のケニア:財政不安で暗号資産と米株取引が増加、政府はクリプト税制に本腰

岸田首相が今月に訪問したケニアは、アフリカ大陸の経済をけん引する大国の1つだが、財政不安と経済見通しの下方修正などを背景に、資産の一部を暗号資産(仮想通貨)や米国株などに交換する動きが中間層や富裕層の間で目立ってきた。ケニア政府内では、暗号資産取引に対する規制と新たな税制度の整備を視野に入れた議論が本格化している。…続きを読む

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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