投資会社は暗号資産がまだ規制対象外であることを明示すべき──EU規制当局が指摘

欧州証券市場監督機構(ESMA)は5月25日の声明で、欧州連合(EU)内の投資会社が伝統的な商品と一緒に暗号資産(仮想通貨)を提供している場合、消費者に誤った安心感を与えている可能性があると述べた。

ESMAは、企業が伝統的金融商品(TradFi)の株式やファンドを提供する際の規制当局の承認を利用して、暗号資産のトラブルが発生した場合に健全な金融アドバイスや補償制度を利用できると顧客に思わせることを懸念していると述べた。

金融商品市場指令(MiFID)として知られるEUの規則は、投資仲介業者が顧客に適切な金融商品のみを販売することを保証するものだが、ゴールド、不動産、譲渡不可能なローンといった投資機会には必ずしも適用されるわけではない。

EUの暗号資産市場規制(MiCA)は、この分野にMiFIDと同様のルールを導入する予定だが、この制度が発効するのは約18カ月後だ。その間、各国の規制当局を調整する機関でもあるESMAは、一部の企業が曖昧さを助長し、悪用することを懸念している。

ESMAは「投資会社は顧客が受け取る商品・サービスの規制状況を十分に認識し、規制による保護が適用されない場合には顧客に明確に開示するために必要なあらゆる措置をとるべきだ」と述べ、規制への適応を宣伝ツールとして利用すべきではないと付け加えた。

ESMAはこれまでにも、暗号資産はリスクが大きいと警告しており、10月に発表した文書では、ハッキングやコンセンサス操作といった新たな脅威を強調していた。ESMAはまた、MiCAを施行するための詳細な関連法についてまもなく協議を始める予定だ。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:EU Investment Firms Should Clearly State Crypto Is Unregulated, Watchdog Says