中国銀行の子会社、香港でセキュリティトークン(デジタル証券)発行──UBSが組成と引受

中国銀行(中国4大商業銀行の1つ)の子会社で投資銀行の中銀国際(BOCI)は、香港でイーサリアムブロックチェーンでトークン化された証券、いわゆるセキュリティトークン(デジタル証券)を発行した。6月12日、スイス金融大手のUBSがプレスリリースで発表した。

BOCIは、2億オフショア人民元(約2800万ドル、約39億2000万円)の仕組債を発行、UBSが組成し、アジア太平洋地域の顧客に販売した。

プレスリリースによると、中国の金融機関が香港でトークン化された証券を発行したのは初めて。

シティグループやバンク・オブ・アメリカなどの大手銀行は、手形や債券などの伝統的金融商品の総称である「現実資産(Real World Asset:RWA)」のトークン化は、暗号資産の普及を促進し、ブロックチェーンに何兆ドルもの価値をもたらし得ると予測している。

今回のBOCIの取り組みは、暗号資産業界がアメリカで規制強化の圧力に直面しているなか、「暗号資産のハブ」を狙う香港の野心が高まっていることも浮き彫りにした。実際、米証券取引委員会(SEC)がバイナンスとコインベースを提訴した数日後、香港のある議員は、コインベースをはじめとする暗号資産取引所に香港への進出を呼びかけている。

「我々は、香港のデジタルエコノミーの進化に勇気づけられ、香港の金融業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)とイノベーティブな発展を促進することに尽力している」とBOCIのYing Wang副CEOはリリースで述べた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:香港の高層ビル群(Unsplash)
|原文:Bank of China’s BOCI Issues Tokenized Securities on Ethereum in Hong Kong