ビットコインETF承認を左右する「監視共有協定」、SECはコインベースを認めるか?

シーボーBZX取引所(Cboe BZX Exchange)は30日、複数のビットコインETF発行者が上場を予定している取引所としてビットコインETFの申請書類を再提出した際に「監視共有協定」を結ぶ取引所として米暗号資産取引大手コインベース(Coinbase)の名前を明記した。

ブラックロック(BlackRock)の申請を契機に、フィデリティ(Fidelity0)、ウィズダムツリー(WisdomTree)、ヴァンエク(VanEck)、アーク・インベスト(ARK Invest)、ギャラクシー/インベスコ(Galaxy/Invesco)などが続き、SEC(米証券取引委員会)が長年拒否してきたビットコインETFを発売を成功させようとしている。ブラックロックはナスダックとともに申請したが、他の資産運用会社などはCboe(シカゴ・マーカンタイル取引所)と連携している。

ウォールストリート・ジャーナルによると、SECは30日、ビットコインETF申請の一部は「監視共有協定」について、具体的にどの取引所を利用するかなどの情報を明らかにしていないため「不十分」と伝えたという。

SECの指摘を受けて再提出した申請でシーボーBZX取引所は、コインベースは「アメリカで行われる米ドル建てビットコイン取引のかなりの部分を占めている」と記し、監視共有協定のパートナーとして指名した。

SECは、市場操作や他の望ましくない行動を防ぎ、消費者を保護するためには「かなりの規模」のマーケットとの監視共有協定が不可欠と主張してきた。これまでビットコインETF申請を却下した際には、こうした協定の欠如が大きく影響していた。

SECはまだ、申請を審査していることを正式に認めていない。審査機関は45日だが、合計240日まで延長することができる。

SECの動きを複雑にしているのは、コインベースを6月初めに、未登録の証券取引所、ブローカー、クリアリングハウスを運営している容疑で提訴した事実かもしれない。だがSECはビットコインを証券であるとは主張しておらず、ゲンスラーSEC委員長は、証券ではないデジタル資産の例として、ビットコインにたびたび言及している。

だが同時に、SECがコインベースをビットコインの「かなりの規模の規制を受けたマーケット」と認めるかどうか、つまり監視共有協定にふさわしい取引所と認めるかどうかもわからない。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Coinbase Will Be Surveillance Partner for Fidelity, Other Bitcoin ETFs, Refiled Applications Say