コインチェック、bitFlyer、ディーカレット……ポイント・電子マネーと仮想通貨の交換サービス続々

国内企業による各種ポイントや電子マネーと、仮想通貨・暗号資産の交換サービスが続々と生まれている。

マネックスグループの仮想通貨取引所コインチェックは9月4日、大手調査会社マクロミルがアンケート回答者に協力報酬として配るポイントを仮想通貨に交換するサービス「Coincheckアンケート」を始めると発表した。同社以外にも、取引所最大手のbitFlyer(ビットフライヤー)はTポイントでビットコインを購入できるサービスを開始。仮想通貨取引所のディーカレットは、仮想通貨で電子マネーにチャージするサービスを始めたばかりで、ともに8月に発表されている。

10月には消費増税に伴なってキャッシュレス・消費者還元事業が始まり、現金以外での支払いにはポイントが付与されることになっている。キャッシュレス決済のサービス、アプリが増える中、ポイントサービス事業者のみならず、仮想通貨取引所・サービス会社を巻き込んで顧客の奪い合いは激しくなりそうだ。

コインチェックのサービスは9月10日から

発表によると、「Coincheckアンケート」は9月10日から始まる。対象者はマクロミルモニタで、かつコインチェックの口座保有者。交換できる暗号資産は、BTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、XRP(リップル)。交換単位は初回が300ポイント、2回目以降は500ポイントからだ。

コインチェックは既に19年4月から、マネックス証券が運営する「マネックスポイント」との連携を実施していた。

ビットフライヤーはTポイントと

コインチェック以外にも、ビットフライヤーがTポイントと交換できるサービスを提供している。ユーザーは100Tポイントにつき85円相当のビットコインを得られるという。

またビットフライヤーのウォレットを使って、旅行代理店のエイチ・アイ・エスやビックカメラ、ヤマダ電機、湘南美容クリニックなどでビットコイン決済をすると、500円相当ごとに1Tポイントがたまるサービスも発表している。

ディーカレットは電子マネー ナナコ、楽天Edyにチャージ可

仮想通貨取引所のディーカレットが始めたのは、暗号資産で電子マネーにチャージするサービスだ。セブン&アイのnanaco(ナナコ)や、KDDIのauウォレット、楽天Edyにチャージできる。

暗号資産を交換所の公式アプリまたはWebブラウザからチャージでき、モバイル上で電子マネーに交換し、決済に使える。利用者は同社のアプリから対象ブランドを選び、チャージ額を入力すると、入力時点のレートで日本円に換算され、電子マネーとしてチャージできるという。

対象の通貨は、BTC(ビットコイン)、BCH(ビットコインキャッシュ)、LTC(ライトコイン)、XRP(リップル)、ETH(イーサリアム)の5種類。

今後もさらなる拡大が予想される

以前から、ポイントサービス各社がポイントをビットコインに交換できるサービスを提供していた。例えばGMOのポイントタウン、VOYAGE MARKETINGのPeX、ネットマイルなどで、いずれもビットフライヤーを通して変換できる仕組みだった。

最近の動きの特筆すべき点は、ビットフライヤー以外の取引所も参入したこと、1年以内利用者数が6961万人もいる国内有数のポイントサービス・Tポイントが対象になったこと、取引所が暗号資産と電子マネーの交換を始めたことなどだ。

ここ数年の間に「○○Pay」と名のつくサービスが新たに生まれ、各企業がお得なポイント還元キャンペーンを展開するなど、キャッシュレス決済を選ぶメリットは既に多く提供されている。

さらに東京オリンピック・パラリンピックを1年後に控えた今、訪日客、インバウンド消費への期待は以前にも増して高まっており、今後、キャッシュレス決済が可能な場所はさらに増えるはずだ。

こうした中で迎える消費増税とキャッシュレス・消費者還元事業は、これまでキャッシュレス決済を避けてきた消費者をも巻き込むきっかけになるだろう。

金融機関や決済事業者、ポイントサービス企業のみならず、仮想通貨・暗号資産の取引所など、あらゆる「お金」「金融資産」に関わるプレイヤーによる顧客獲得競争は、ますます激しくなる。

文:濱田 優
編集:佐藤茂
写真:Shutterstock

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