メーカー、エックス・アール・ピー、ステラが7月の市場をリード

暗号資産(仮想通貨)市場全体のパフォーマンスを示すCoindesk Market Index(CMI)の中で、7月、最も上昇率が高かったのは、MakerDAOのガバナンストークン、メーカー(MKR)で47%上昇。エックス・アール・ピー(XRP)は、米裁判所が取引所でのXRPの販売は投資契約に該当しないとの判決を下したことで、46.6%上昇した。

ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、それぞれ4%下落。

メーカーが1年ぶりの高値近くまで上昇したのは、トークン買い戻しプログラムが導入された7月21日。エックス・アール・ピーが2倍近い0.938ドルまで上昇したのは、ニューヨーク南部地区連邦地裁が暗号資産取引所での販売は投資契約にはあたらないとの見解を示した直後の7月13日で、その後、0.70ドル台まで値を戻したが、7月としては大きな上昇を見せた。

また、注目すべきはステラルーメン(XLM)で35%上昇した。あるアナリストはステラルーメンが突如、24時間で12%上昇した理由として、ステラ財団が先週発表したオフランプ(法定通貨などへの交換)についての詳細なレポートをあげている。

暗号資産デリバティブ・トレーダーのクリストファー・ニューハウス(Christopher Newhouse)氏は、ステラルーメンはステーブルコインのUSDコイン(USDC)に最も交換しやすいというストーリーを背景に、ファンダメンタルズに基づいた動きが続くと指摘した。

他にはソラナ(SOL)が25%上昇。おそらくエックス・アール・ピーの大きな上昇と連動したのだろう。

最も悪い結果となったのは、20%下落したビットコインキャッシュ(BCH)と、18%下落したライトコイン(LTC)。ライトコインの下落は8月上旬の3回目の半減期を控えてのことだ。

この先、8月は市場が低迷する傾向にある。デジタル資産データ企業ファンドストラット(FundStrat)は、夏の最終月は市場規模が弱まる傾向にあるものの、多くの人が季節的なものと見ていることから「実際にリスクとなる可能性は低い」と投資家向け文書に記した。

今後のポジティブな要素はビットコインETF(上場投資信託)申請に対する米証券取引委員会(SEC)の決定だろう。「マーケットは最終的にうまくいくと楽観視している」とLMAX Digitalは述べた。

「ブラックロックのような大手金融機関のETF申請が承認されれば、巨大需要の波が押し寄せ、機関投資家への普及のきっかけになる可能性がある」

2022年、ビットコインは8月に14%下落し、イーサリアムは8%下落した。米株式市場では過去35年間、8月は最悪の月となっている。

|翻訳:吉見朋子
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:MakerDAO’s MKR, Ripple’s XRP and Stellar’s XLM Led Crypto Gainers in July