マスターカードとR3、クロスボーダー決済用ブロックチェーンプラットフォームを開発へ

米クレジットカード大手のマスターカード(Mastercard)は、エンタープライズブロックチェーン「コルダ(Corda)」を提供するR3と共同で、ブロックチェーンを基盤とするクロスボーダー決済プラットフォームの開発を目指す。

マスターカードは、2019年9月11日(現地時間)付の発表の中で、ブロックチェーンを基盤とするクロスボーダー決済プラットフォームの「開発と試験運用」を行うためにR3と提携を結んだと明かした。当初の目標は、マスターカードの清算・決済ネットワークに支えられる銀行とより速い決済スキームをつなぐことにある。

今回の提携は、R3がブロックチェーンソリューション開発に持つ専門性とマスターカードの既存の決済システムやネットワークを統合する計画。最終的に両社は、新しいプラットフォームが産業内に存在する問題の解消に役立つことを期待している。コストのかかる決済処理、流動性の管理、銀行と国内清算システム間の基準や接続性の不足といった問題が挙げられる。

R3のCEO、デビッド・E・ラター(David E. Rutter)氏は次のように述べた。

「大小関わらず全ての組織は支払いを送り、受け取る機能に頼っています。しかし、組織が頼りにしている技術はあまりに多くの場合、煩わしい上にコストがかさみます。クロスボーダー決済は特に悩みの種となり得ます。『コルダ』は、特にこのようなエンタープライズ用途のために設計されたものです。我々は、マスターカードがブロックチェーンを基盤とした決済事業を世界中に広げていくのを支えることを楽しみにしています」

マスターカードは、7月に国際決済企業トランスファスト(Transfast)を買収したことでマスターカードのネットワークが拡大されたと述べた。また今回の提携によって、R3のコルダを活用できるようになり、決済分野におけるマスターカードの能力がさらに強化されると語った。

今回の発表の数日前、マスターカードはR3とトレードIX(TradeIX)が立ち上げた貿易金融ブロックチェーン「マルコ・ポーロ(Marco Polo)」に参画したことが報じられている。

マスターカードの新決済プラットーフォーム部門でエクゼクティブ・バイスプレジデントを務めるピーター・クライン(Peter Klein)氏は、声明の中で次のように述べた。

「口座間(決済)の領域における、世界規模の接続性を改善することで、新しくより優れたクロスボーダーB2B決済ソリューションを開発することは、マスターカードの野望の中心となるものです。我々の目標は、R3との関係を含む、最近の戦略的買収や提携が示す通り、グローバルな決済インフラの選択肢と接続性を提供することです」

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Mastercard image via Shutterstock
原文:Mastercard, R3 to Develop a Blockchain Cross-Border Payments Platform