【デジタル証券フォーラム2023】セキュリティ・トークン(ST) 市場拡大に貢献

CoinDesk JAPANの運営会社N.Avenue株式会社は、日本経済新聞社と共催で2023年12月13日(水)に「デジタル証券フォーラム2023」を開催する。

申し込み(参加無料)

投資の世界で加速するデジタル化の進展。デジタル有価証券「セキュリティ・トークン」(ST)市場が拡大している。資産のデジタル化によって予測される市場と投資行動の変化にどう対応するのか、大和証券グループ本社・大和証券 常務執行役員の板屋篤氏に聞いた。

大和証券グループ本社・大和証券
常務執行役員
板屋 篤氏

2014年⼤和証券グループ本社⼈事部⻑、19年同社⼈事副担当兼企画副担当などを経て、21年、同社企画副担当兼ITオペレーション副担当、セキュリティ・トークンに関する⼤和証券グループ横断のプロジェクトを立ち上げ、⼤和証券がこれまで引き受けた不動産セキュリティ・トークン・オファリングの案件を主導する。一般社団法⼈ 日本STO協会理事。

市場拡大のために必要な要素とは

2020年の金融商品取引法改正で、投資家保護を含めてSTに関する根拠規程が明示され金融機関が果たすべき役割が明確になりました。

投資家にとっては株式や債券等と異なるリスクプロファイルであった不動産アセットに、金融商品として比較的少額から投資可能となり、ポートフォリオを構築する選択肢が広がりました。

今後の市場拡大をドリブンする要素としては、セカンダリマーケットの整備、対象アセットの拡大、デジタル通貨の3点が挙げられます。

1点目は、セカンダリー市場が整備(ODXなど)されることで、投資家の利便性が高まるとともに、REIT以外の証券化の手段としてよりコストの低いSTに関心を持つ発行体が増えていくと考えています。
2点目は、不動産以外のアセットも今後増えていくことで、発行体の増加と、投資家層の広がりの好循環が期待できます。3点目がデジタル通貨です。デジタル通貨が、より効率的な決済や配当事務として実現すると、証券化のコスト低減に繋がり、それが投資家に還元され、さらなる市場の拡大に繋がると考えています。

不動産ST以外でも優良アセットを提供

大和証券グループがSTを取り扱う意義は「①お客様への新たなオルタナティブ投資手法の提供」、「②アセット保有企業への新たな資金調達手法の提供」、「③グループシナジーの創出」であると考え、これまで不動産を裏付とするSTの引受発行をリードしてお客様に提供してきました。

今後は、不動産以外の対象アセットも検討しており、例えばインカムが安定し資金調達ニーズも高い太陽光発電所などの再生エネルギー関連設備は、ST化できると、投資家にとっても非常に関心の高い商品になるのではないかと考えています。こうした優良アセットをST化し、多数のお客様に提供可能とすることで、お客様の資産運用の幅をさらに広げていきたいと考えています。

STビジネスはまだ新しい分野ですが、非常に大きな拡がりが見込めると思います。業界内の企業や、新しい発想を持つ技術力ある企業と協業することで、ST市場は、投資家にとって利便性が高く、魅力があり、より大きな市場へと発展していくと考えています。

|2023年12月8日付け日本経済新聞「デジタル証券フォーラム2023広告特集」より転載
|画像:CoinDesk JAPAN