創造と破壊の波を起こした10年、新たな金融・経済が生まれる2020年──CoinDesk Japanが伝えること

中国の巨大テクノロジー企業に端を発し、インド、シンガポール、インドネシアのテック企業は過去10年間にわたり急ピッチで新しい金融サービスを展開してきています。

リープフロッグ型の経済成長を進めるアジアでは、スマートフォンの普及とともに、中国のアリババとテンセント、シンガポールのGrab、インドネシアのGo-Jek、インドのPaytmは、デジタルの世界でその事業規模と企業価値を爆発的に拡大させてきました。

また、フィンテックは金融とテクノロジーの垣根をなくし、日本を含む世界の金融界では、多くの伝統的な銀行が生き残りを賭けた戦略の立案に奔走しています。米国の大手銀行は一方で、年間1兆円を超える資金を次世代のテクノロジーに積極投資し、自らをバンク・テック企業にトランスフォームしようとしています。

マッキンゼーが10月に発表した報告書は、宿泊、旅行、出版業界では既存のプレイヤーたちがディスラプト(破壊)されてきたように、銀行業には今、ディスラプションの波が押し寄せ、従来の金融機関は迅速な行動が求められていると述べています。

2008年の世界金融危機とほぼ同時に、ビットコインはその産声をあげました。あれから10年の間、「インターネットの次のゲームチェンジャー」と称されるブロックチェーンは、その開発スピードをさらに速めてきました。

2019年、フェイスブックが主導するデジタル通貨「リブラ(Libra)」構想が明らかになると、中国はデジタル人民元の導入とブロックチェーンの開発にアクセルを踏み込んでいくと発表。

日本、欧州、米国の金融界では、大手金融機関がベンチャー企業と連携しながら、債券や株式、不動産などの証券をデジタル化し、その発行と流通を行う新たなプラットフォームを作ろうとする動きが活発化しました。

アジアの金融・産業・経済のランドスケープは2020年以降、大きく変化することが予想されます。CoinDesk Japanは、ブロックチェーンと暗号資産を軸に置きながら、テクノロジーが作り上げる新しい金融・産業・経済の形と、その変革を進めるフロントランナー(企業・人)にフォーカスしたニュースメディアを作り上げていきます。


年始特集ラインナップ

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「ブロックチェーンを国家戦略に」「日本でもCBDC発行を」──bitFlyer創業者・加納裕三氏

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フィンテックで激変するのか、日本の3つのコア領域──インフキュリオンCEOが2020年を予測

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ビットコインは終わらない──慶大・坂井教授が考える“お金の未来”

2020年は仮想通貨取引所の「廃業もありうる」──JCBA廣末紀之会長

「ブロックチェーン基盤の金融はインターネットと同じ轍(てつ)は踏まない」増島弁護士・LayerX福島氏対談(後)

注目はドル覇権と中国CBDCの行方、クリプトの市場性研究に注力──マネックス仮想通貨研究所・大槻奈那所長

ナントカPayは淘汰の時代へ──2020年の「キャッシュレス決済」を見通す ディーカレット白石陽介CTO

文:CoinDesk Japan編集部