- ビットコインは9万1000ドルを上回って安定しており、現在の水準が維持されれば10万ドルに向けて上昇する可能性がある。
- S&Pグローバル・レーティングがUSDTの格付けを引き下げたことで、テザーは厳しい監視に直面している。これは、よりリスクの高い資産へのエクスポージャーを理由としている。
- アルトコインのパフォーマンスはまちまちで、主要暗号資産では上昇と下落がともに見られる。
ビットコイン(BTC)は9万1161ドルで、9万1000ドル台を安定して維持した。暗号資産(仮想通貨)市場は過去24時間でほとんど変化がなく、アメリカでの感謝祭の休暇による低ボラティリティを反映している。
市場センチメントは先週の安値から改善し、「恐怖と貪欲指数(crypto fear and green index)」は20まで上昇した。依然として「恐怖」の領域にあるものの、全体的に買い手の活動が活発化していることを示している。
BTCは11月11日から21日にかけての下落幅から約61.8%回復し、過去の回復局面で抵抗線として機能した同じフィボナッチ水準を再び確保した。
FxProのチーフ市場アナリスト、アレックス・クプツィケビッチ(Alex Kuptsikevich)氏はメールで「この水準での持続的な維持が実現すれば、今後の取引セッションで10万ドルへ向けた動きの窓が開く」と述べた。
「ビットコインは9万1000ドルを突破し、7日ぶりの高値を記録した。11月11日から21日までの下落幅の61.8%という古典的なフィボナッチ・リトレースメント水準まで回復した」と同氏は説明した。「今後数時間でこの水準での回復が勢いを失わなければ、まもなく10万ドル水準まで価格が上昇し、さらに重要な水準の突破を試みると予想できる」と述べた。
一部のアナリストは、高値からの30%調整を潜在的な長期エントリーポイントと位置付けている。
K33リサーチ(K33 Research)は、ビットコインが過去1カ月の取引セッションの70%でナスダック(Nasdaq)を下回ったと指摘した。この乖離は2020年以降、局所的な転換点付近で数回しか発生していない現象だ。
デリビット(Deribit)のフローデータも同様の傾向を示しており、大口トレーダーは10万ドルから11万8000ドルのレンジで上昇構造を志向する一方、明確なマクロ要因なしにBTCが12万ドル圏を突破できるかについては懐疑的だ。
一方、テザー(USDT)はS&Pグローバル・レーティングス(S&P Global Ratings)による格下げを受け、再び注目を浴びた。同社はUSDTを格付け基準で5番目に低い「弱い」に格下げし、その理由としてBTC、ゴールド(金)、企業債といったリスクの高い資産クラスへのエクスポージャーを挙げた。
これは発行体が保有する準備金に116トンのゴールドが含まれていることを明らかにしたタイミングでの発表であり、これはハンガリーやギリシャの保有量に匹敵する。これは、供給が急増する中で、ステーブルコイン運営者が代替担保の組み合わせに傾倒する傾向を裏付けるものだ。
アルトコインは依然として低迷しているが、「極度の恐怖」から投資センチメントが回復し、流動性が防御的ポジションから流出するにつれ、改善するリスク環境を反映し始めている。
主要トークンでは、イーサリアム(ETH)は0.4%下落して3023ドルとなったが、7日間では7.7%の上昇を維持した。エックス・アール・ピー(XRP)は0.8%下落して2.20ドルとなったが、週間ベースでは10%超の上昇でアウトパフォームした。
バイナンスコイン(BNB)は前日比0.3%上昇して897ドルだった。ソラナ(SOL)は週間で堅調な動きを見せた後、2%下落して140ドルに、トロン(TRX)は1.4%上昇して0.2803ドル、ドージコイン(DOGE)は2.5%急落して0.1508ドル。カルダノ(ADA)は1.4%下落し0.427ドルだった。
時価総額トップ10以外の注目銘柄では、ジーキャッシュ(ZEC)が前日比8%下落し、今月初めに記録した業界をリードする上昇の一部を失った。
新規参入のモナド(MON)は、調整局面で高ベータ銘柄からの投機資金が流出したため、13%下落した。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Cryptos Steady as BTC Hits Key Fib Level, Traders See Room for $100K but Little Beyond


