バイナンスはどこにある?──マルタ金融当局、監督下にないと発言

バイナンスはマルタにおいて事業ライセンスもなく、認可も受けていない。マルタの金融当局が述べた。

マルタの金融当局、MFSA(Malta Financial Services Authority)は2月21日(現地時間)に声明を発表、同局はこれまでにバイナンスに認可を与えたこと、またバイナンスが同国の生まれたばかりの仮想通貨業界での事業をやめたことを否定した。

バイナンスを「マルタに拠点を置く仮想通貨取引所」と表現したメディアの記事を引用しつつ、当局はバイナンスは「仮想通貨領域での事業に必要なMFSAの認可を受けておらず、それゆえにMFSAによる監督の対象になっていない」と述べた。

バイナンスは以前、拡大を目指した日本において規制当局と衝突、その後、2018年3月にマルタにオフィスを開設すると発表した。当時、マルタのジョゼフ・ムスカット首相はバイナンスを歓迎し、同国は「ブロックチェーンをベースとしたビジネスの規制におけるグローバルな先駆者」になるというバイナンスの目標をサポートするとツイートした。

2018年9月、バイナンスはさらにマルタ証券取引所(MSX)と協力してセキュリティトークン取引の提供を開始すると発表。2019年後半の別の発表では、仮想通貨フレンドリーな新しい銀行設立に資金を提供していると述べた。

バイナンスがマルタにまだオフィスを置いているか否かは定かではない。

「これは古いニュース」とCEO

バイナンスは当記事公開前にはコメントを拒否したが、ジャオ・チャンポン(Zhao Changpeng)CEOはその後、「これは古いニュースで、いつも問題となること」とツイートした。

2020年2月11日にCoinDeskに送られてきたプレスリリースには、マルタが所在地として記されていたが、バイナンスは本社の所在地を正式には明らかにしていないようだ。

「我々は分散型の事業を行っており、その件について明確な答えはない──我々が規制を受けたビジネスを行う場合(例えば、バイナンス・シンガポールやバイナンスUSなど)、我々はそこにチームを置く」と以前、バイナンスのグロース&法人ビジネス担当ディレクター、ジョシュ・グッドボディ(Josh Goodbody)氏は語った。

MFSAは21日の発表で、現在「バイナンスがマルタにおいて、規制上の監督範囲に入らない活動を行っているか否かを評価している」と強調した。

MFSAはまた、2018年の仮想金融資産法(Virtual Financial Assets Act of 2018)の成立以降、仮想通貨を取引あるいは提供するマルタ企業はライセンスを完全に取得する必要があると繰り返した。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:Shutterstock
原文:Binance Is Not Under Our Jurisdiction, Says Malta Regulator