2019年のトレンドは取引所トークン?値上がりはビットコイン以上

世界最大級の仮想通貨取引所バイナンス(Binance)が発行するバイナンスコイン(BNB)の後を追い、仮想通貨取引所フォビ(Huobi)が発行するフォビトークン(HT)も2019年に100%以上の値上がりを見せている。

取引所トークンは取引手数料の支払い手段として用いられるだけでなく、通常、新しい市場を形成し、全体的な流動性を高める目的でその他の仮想通貨とも連動している。

しかし、バイナンスは最近、自社トークンの需要を引き上げる方法を新たに生み出した。その方法とは、同社のトークン販売プラットフォーム「バイナンス・ローンチパッド(Binance Launchpad)」で、トークンを購入する際の支払い方法をビットコイン(BTC)もしくはBNBに限定すること。

今年、BNBの価格が200%近く上昇した理由はそれだけではないだろう。しかし、競合する取引所にとって、BNBの成長は、無視できないくらい大きかったのかもしれない。

シンガポールに拠点を置く仮想通貨取引所、フォビもバイナンスの後を追う形で独自のトークン販売プラットフォーム「フォビ・プライム(Huobi Prime)」を作り上げた。フォビ・プライム上では、同社のトークンHTを使用してトークンを購入することが可能。またそれだけでなく、購入したトークンは即座にHT市場で取引することができる。

フォビ・プライムは、3月26日(現地時間)、ERC-20トークン、TOPネットワーク(TOP)の販売とともにサービス提供を開始する。この新しいサービスは、投資家の興味に火をつけたようで、HTの価格は、過去2日間で最大40%近くの上昇を記録している。

とは言え、HTの市場はフォビ・プライムの発表よりもだいぶ前から強気相場に突入していた。これは、その他取引所トークンの価格チャートでも見られた傾向だ。

上記のグラフからわかるように、仮想通貨市場最大級の取引所トークンの一部は、今年著しい値上がりを記録しており、通常市場トレンドを先導しているビットコイン(BTC/ドル)よりもパフォーマンスが優れている。

記事執筆時点では、依然として、BNBのパフォーマンスが取引所トークンの中で最も優れている。年始から現在までで145%の値上がりを記録している。しかし、HTも同期間で価格を123%上昇させ、迫ってきている。仮想通貨取引所クーコイン(KuCoin)独自のトークン、クーコインシェアーズ(KCS)も年始から69%と著しい値上がりを見せている。

最近、HTの取引量が急増したことも、同トークンが新たな関心を集めていることの証。コインマーケットキャップ(CoinMarketCap)によると、過去24時間の取引量は、1億7000万ドル超。同トークンの時価総額1億2500万ドルよりも4500万ドル高い。

バイナンス・ローンチパッドが今年行った新規コイン公開(ICO)は、どれも十数分以内に完売している。フォビ・プライムがバイナンス・ローンチパッドに匹敵する関心を集められれば、仮想通貨取引所によるトークン販売プラットフォームの提供は、2019年注目のトレンドなるかもしれない。

翻訳:Yuta Machida
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Huobi image via Shutterstock; Charts from charts.cointrader.pro by TradingView
原文:Not Just BNB: Up 120%, Huobi’s Crypto Exchange Coin Is Breaking Out