経産省が「eスポーツ」国際ルール策定のため海外動向を調査へ──ブロックチェーン活用も進むEsports

経産省が「eスポーツ」国際ルール策定のため海外動向を調査へ──ブロックチェーン活用も進むEsports

世界中で市場規模が拡大しているeスポーツについて、経済産業省は、「日本のコンテンツ市場においても今後の成長分野として期待されている」として、公平・公正な大会を実現するための国際ルール策定を検討する。同省はこのほど、主要国の動向を調査し、ルール形成に向けた全体戦略策定に取り組む方針を発表した。

eスポーツは”electronic sports”(エレクトロニックスポーツ)の略で、電子機器を使用してディスプレーで対戦する、いわゆるゲームのことだ。ある調査によると、スポンサー料や放映権、チケット販売などのゲーム産業としての市場規模は、2019年時点で約61億円を超えており、2023年には約 150 億円を超えると予測されている。

eスポーツでもブロックチェーンの活用が進んでおり、クリプト・ブロックチェーン業界からの注目も高まっている。

国際的にも統一された基準がない

経産省がルール策定に乗り出す理由は、市場の拡大が期待されている分野であるにもかかわらず、統一された基準がないことだ。海外のeスポーツ大会では、それぞれの事業者が設けた独自のルールで行われている。経産省も「サードパーティーも巻き込み国際的に統一された基準の形成には至っていません」と分析している。

そこで経産省は、次の3点の調査を行い、eスポーツ競技大会の国際ルール形成を実行する上での全体戦略策定に取り組む考えだ。それは、(1)公平・公正な競技性の確保に関する通信環境などの基準についての諸外国における動向調査、(2)主要国などにおけるルール形成への関心度合いやその内容等の調査分析、(3)ルール形成の決定プロセス、仕組み等の情報の調査分析──の3点だ。

eスポーツでも進むブロックチェーンの活用

ブロックチェーンとゲームの親和性は高く、実際に活用も進んでいる。ブロックチェーンを活用したゲームとしては、デジタル猫の収集育成ゲーム「クリプトキティーズ」や日本発の人気RPG「マイクリプトヒーローズ(マイクリ)」(double.jump.tokyo)などが知られている。

ブロックチェーンをゲームで活用することのメリットはいくつもある。まずアイテムやキャラクターを代替できないNFT(ノンファンジブル・トークン)に位置づけられるため、キャラやアイテムが希少価値を持ち、他のプレイヤーと取引できるようになる。

そもそもゲームはデジタルデータのため複製可能で、アイテムやキャラはいくつも存在する。しかしNFTにすることで、プレーヤーが育てたキャラや、見つけたアイテムが「他に存在しない」という状況を作り出せる。これはeスポーツでも同じで、トッププロが育てたキャラや身につけたユニフォームなどをファンが買えるようになるだろう。

またスマートコントラクトを活用することで、大会や試合の賞金支払いを自動化できるため、詐欺のリスクを低減できることもメリットといえる。前述したとおり、eスポーツには統一されたルールがなく、大会運営もそれぞれの事業者に委ねられている。こうした中で賞金が高額になってきている。市場をさらに拡大させる上ではフェアな仕組みは不可欠で、スマートコントラクトを活用したトラブル回避策は有用と言えるだろう。

さらに、ブロックチェーンの活用で独自のトークン(暗号資産)を発行すれば、人気のプレーヤーやチームが資金調達できるようになるし、そこでファンとの交流も生まれ、コミュニティが活性化することも期待される。

最近では、世界中の誰もが人気のeスポーツで対戦できるサービス「いぽすた」も誕生した。これは、ファンがトッププロが対戦したり、トーナメントを開催したりできるもの。いぽすたの運営企業の親会社は、個人の時間を30分単位で売買できるサービス「タイムチケット」を運営している株式会社タイムチケット。「いぽすた」は、EOSブロックチェーン上で動く非中央集権型プロトコルの「タイムコインプロトコル」を活用したDapp(分散型アプリ)。同社はブロックチェーンの良さを活かしてeスポーツを盛り上げようと考えている。

コロナ禍でも大会ができるeスポーツ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、プロアマ問わず、世界中で多くのスポーツ大会が中止になったり、リーグ開催が大幅に遅れたりしている。たとえ開催できても無観客試合を余儀なくされている。

しかしeスポーツはコンピューターを使っていることもあり、オンライン配信にも向いている。実際、大会をオンラインで開催するケースが続出している。たとえば大手ゲームメーカー・カプコン「カプコン プロツアー 2020」は、選手と実況者がともに自宅から参加する完全オンライン開催となった。またテレビ東京と電通が主催している高校生を対象としたeスポーツ大会(通称・eスポーツ甲子園)もオンライン開催となっている。

最近では、eスポーツを含むゲームをテーマにしたTV番組も誕生しているほか、YouTubeでも実況は人気のジャンルになっている。今後eスポーツへの注目度はさらに高まるだろう。

文・編集:濱田 優
画像:Leonel Calara / Shutterstock.com(2019年撮影)

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