コロナ禍で株式投資を始めた人は2.4%(日証協)、東証がシステム障害の経緯と再発防止策を発表──10/17〜10/23の投資ニュース

SBI証券が富裕層向けサービス強化で「不動産仲介業務」開始

SBI証券は10月19日、富裕層向けのサービス強化を図ることを目的に不動産仲介業務を始めることを明らかにした。これまで行ってきた「資産運用支援」、「事業支援」などの金融領域サービスに加え、不動産仲介サービスを提供し、資産ポートフォリオの構築を支援する考え。

「グローバル年金指数ランキング」で日本は39カ国中32位──マーサー発表

マーサーが10月20日に発表した「グローバル年金指数ランキング(2020年度)」で、日本は39ヵ国中32位だった。2018年は34カ国中29位、19年は37ヵ国中31位と例年下位に甘んじている。1位は昨年に続いてオランダで、過去12年のレポートのうち11年間おいて1位か2位の座を維持している。

このランキングは、各国の年金制度を「十分性(Adequacy)」、「持続性(Sustainability)」、「健全性(Integrity)」に大別される50以上の項目などから指数化して作られている。20年度は調査対象として、ベルギーとイスラエルが追加された。

東証、システム障害の経緯と再発防止策を発表

10月1日に発生した株式売買システム「arrowhead」の障害について、東京証券取引所は10月19日、経緯や原因、再発防止策などを発表した。停止の直接の原因は、複数サーバーで共通使用される、銘柄情報やユーザー情報などのファイルを格納される場所(共有ディスク装置、NAS=Network Attached Storage)の制御機能がダウンした際、NAS1号機から2号機への切り替えも正常に動作しなかったこと。切り替えが正常動作しなかった理由についても、報告書で述べられている。

同社はシステム要件として、NAS が故障した際、30 秒以内に切り替えて業務を継続できることを定めているという。arrowheadについては、稼働を始める時、富士通の製品マニュアルに「切替えに関する設定値に拠らず自動切替えが動作する」と記載されていたことを受け、富士通の設定値を東証が確認して決定。ただ実際には、arrowhead に設定した値ではメモリ障害時には自動的に切り替わらない製品仕様だったことが、障害後の調査で判明した。

富士通は通常、初期設定値でマニュアルどおりに動作することをテストして出荷するが、arrowhead に設定した値は初期設定値ではなかったため、出荷時、机上で仕様を確認したものの、テストは行われていなかったというのだ。

なぜ当日に取引再開できなかったのか

東証はまた、当日中の取引再開ができなかった理由として、「NAS が使えない場合においても確実に売買を停止する手段を具備していなかったこと」(システム面の理由)と、システム障害発生時の売買停止後の再開に係る取扱いルールが整備されていなかったこと」(運用面の理由)を挙げた。

その上で、再発防止のために講じる措置として、システム対応と総点検、確実に売買停止をするための手段の拡充、市場停止および再開にかかわるルールの整備などを順次行うとしている。

個人投資家の平均株式保有額は688万、昨年から28万円増──日証協の個人投資家意識調査

日証協「個人投資家の証券投資に関する意識調査」より

日本証券業協会が日本全国の20歳以上の証券保有者5,000人を対象に実施した「個人投資家の証券投資に関する意識調査」で、個人投資家の株式保有額は、「100~300万円 未満」が21.5%、500万円未満が 72.3%を占めること、推計の平均保有額は、688万円(前年から28万円増)であることが10月21 日、分かった。なお投資信託の保有額は、全体平均が373万円(推計)。保有額50万円未満が25.8%、500万円未満が75.1%だった。

調査は2020年6月30日から7月5日まで、インターネットで行われた。調査対象者の属性は、「無職・年金のみ」が23.1%、「管理職以外の勤め人」が21.4%、「専業主婦・主夫」が18.3%。個人年収を見ると、「300万未満」が45.1%、500万未満が69.8%。年代別では、40代と50代の年収は500万未満が5割程度だった。

回答者の金融資産保有額は、全体の平均保有額(推計)は1610万円だが、当然ながら若い年代は低く、20〜30代の8割以上が保有額1000万未満で、60代以上では過半数が1000万円以上保有している。

保有している株式の種類では、国内上場株が96.1%(前年95.8%)と最多。海外上場の外国株が前年の6.6%から8.4%に1.8ポイント増加した。

投資の姿勢については、「おおむね長期保有だが、ある程度値上がり益があれば売却する」が51.3%と過半数。次いで、「配当・分配金・利子を重視している」が19.0%で続いた。20代~30代の層に比べそれ以外の層は、「株主優待を重視している」、「配当・分配金・利子を重視している」 が高い傾向だ。

コロナ禍で株式投資を始めたのはわずか2.4%

新型コロナウイルス感染症の影響はどの程度あるのだろうか。株式保有者の41.7%は、「以前とは変わらず、投資活動を続けている」と回答した。「株式の投資額を増やした」は15.1%だった。「この機会にはじめて株式を購入した」という人は2.4%しかいなかった。

年代別でみると、若い層ほど「この機会にはじめて株式を購入した」「株式の投資額を増やした」の割合が高く、20代~30代は、「以前とは変わらず、投資活動を続けている」と回答した者を含めると、約7割(71.8%)に達した。

若者ほどSDGsを知っている 20-30代は4割弱がSDGs債「購入したい」

最近注目度が高まっているSDGsについては、SDGs債を認知している人は全体の18.5%。20代~30代は、30.1%が認知しており、年齢が上がるにつれ認知していない人の割合が増える。 SDGs債の保有状況は、全年代において保有割合は低いものの、若い層では「今後、購入してみたい」の割合 が高く、20代~30代では、38.9%にのぼった。

調査ではこのほか、金融機関への満足度やNISA・つみたてNISAの利用状況、iDeCo(個人向け確定拠出年金)の認知・加入状況についてもまとめられている。

マネックス、国内株式取引手数料引き下げへ

マネックス証券は10月22日、国内株式取引手数料の引き下げを発表した。手数料引き下げは、2020年11月2日の約定分より適用される。マネックス証券では、取引ごとに手数料を計算する「取引毎手数料コース」と、1日の約定金の合計額で手数料を計算する「一日定額手数料コース」の2種類のコースが設けられている。今回の手数料引き下げは、両コースとも対象。

取引毎手数料コース

マネックス証券リリースより

一日定額手数料コース

マネックス証券リリースより

株式取引手数料の値下げは、他の証券会社でも既に実施されている。SBI証券、楽天証券、岡三オンライン証券は1日100万円までの取引で手数料を無料化。SBI証券は10月1日から手数料変更を実施している。楽天証券は12月、岡三オンライン証券は11月24日より手数料を無料化する。

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文:CoinDesk Japan編集部
編集:濱田 優
画像:Shutterstock.com