- 暗号資産運用会社グレイスケールは、自社のチェーンリンク・トラストをETFに転換する申請を行った。
- 現在、この信託の運用資産は約2900万ドル。
- グレイスケールの申請には、サードパーティのプロバイダーを活用したステーキング要素の可能性も含まれている。
グレイスケール(Grayscale)は、米証券取引委員会(SEC)に対し、既存のチェーンリンク・トラスト(Chainlink Trust)を現物ETF(上場投資信託)に転換するための申請を行った。
8日にSECへ提出されたS-1登録届出書によると、このETFが承認されれば、NYSEアーカ(NYSE Arca)においてGLNKのティッカーシンボルで取引されることになる。S-1登録届出書は、ETF申請を公式に行うのに必要な2つの書類のうちの1つだ。
チェーンリンク(Chainlink)ネットワークのネイティブトークンであるチェーンリンク(LINK)は、アルトコインの全体的な上昇に伴い、過去24時間で3%上昇した。アルトコイン市場では、エックス・アール・ピー(XRP)が2.6%、ソラナ(SOL)が5%、ドージコイン(DOGE)が7.4%上昇した。
グレイスケールの申請には、ステーキング機能の可能性も含まれている。認められれば、このファンドはチェーンリンクをカストディアンウォレットに保管しつつ、サードパーティのステーキングプロバイダーを利用できる。ステーキング報酬は、今後の規制ガイダンス次第で、ファンドが保持するか、株主に分配するか、経費充当のために売却される可能性がある。
この商品は2022年2月から存在しており、現在約2900万ドル(約42億円)の資産を管理するグレイスケール・チェーンリンク・トラストから転換されることになる。コインベース・カストディ・トラスト・カンパニー(Coinbase Custody Trust Company)がカストディアンを務める。
このETFは、株式の発行・償還を現金で処理する方針であり、最近承認されたビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)の現物ETFで使われた構造をなぞっているとグレイスケールは述べた。ただし、今回の申請書では、将来の規制によって認められるようになった場合の現物償還を考慮に入れている。
この動きは、複数の単一資産の暗号資産(仮想通貨)信託をETFへ移行させることを目指すグレイスケールのより広範な取組みの一環だ。その他の承認待ちの提案には、ソラナ、ドージコイン、XRPといった暗号資産の価格に連動するファンドも含まれる。
ポール・アトキンス(Paul Atkins)委員長率いるSECは、これらの承認待ちの申請をについてまだ承認・却下のいずれも行っていないが、それでも企業はその資産クラスで初となることを目指して商品の準備を止めない。
承認されれば、GLNK ETFは従来の投資家に対して、チェーンリンクの価格パフォーマンスへの規制下でのアクセスを提供するようになる。なお、チェーンリンクネットワークは、ブロックチェーンアプリケーションやスマートコントラクトのための分散型データフィードを支えるものだ。ステーキング機能の追加によって、ほとんどのアメリカの暗号資産ETFではまだ提供されていないインカムゲインの要素も提供される可能性がある。
これまでのところ市場は楽観的に反応しているようで、チェーンリンクは主要暗号資産の中でもこの日に最も力強い上昇を遂げたグループに入った。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Grayscale Files for What Could Be First-Ever U.S. Chainlink ETF


