リップル、国際送金Trangloの株式を取得──東南アジアで事業拡大図る

ブロックチェーンを活用した国際送金のソリューションを開発するリップルが、フィリピンを中心に送金サービスを手がけるTrangloの株式を取得する。低コストで速く、高いセキュリティ性能を備えた送金基盤をアジアで構築していく。

リップルは30日、Trangloの株式40%を取得することに合意したと発表。Trangloとの提携を通じて、暗号資産「リップル(XRP)」を利用した送金と、送金の運用資本の効率化を行うサービスの提供範囲を拡大していく。

リップルがアジア域内でオンデマンド流動性(ODL)と呼ばれるサービスを開始することで、RippleNetのユーザーは送金における運用資金を確保できる。これにより、多くの市場で国際送金を行うことが可能になるという。

リップルの発表文によると、東南アジアの送金市場は細分化されており、各国が独自の送金インフラを導入している。同地域では、標準的で統合的な国際送金の機能が存在せず、送金にかかる高いコストが課題だった。

リップルは昨年、RippleNet上で利用できるサービスの「クレジットライン」を発表した。このサービスとODLを活用することで、顧客企業は暗号資産のリップル(XRP)を通じて、オンデマンドで資金を調達し、高頻度の国際送金を行うことができるという。

リップルの今回の株式取得は、規制当局の承認が得られれば、2021年中に完了する見通しだ。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:リップルの発表文より