エンジン、米ヘルステックのHealth Heroと共同でNFT×ウェルネス

NFT(ノンファンジブル・トークン)に対応するブロックチェーンを開発するエンジン(Enjin)は10日、米デジタルヘルス・エンゲージメント企業のHealth Heroと共同で、NFTを使ったウェルネスプログラムを開始すると発表した。

2社が開発する「Go! By Health Hero」プログラムでは、ユーザーが自分の健康状態や活動の特徴に合わせて、独自のトークンを作ることができる。作成したトークンは、エンジンが運営するNFTマーケットプレイスで取引することが可能になる。

ユーザーがより多くのアクティビティデータや健康状態のパラメータを入力すると、「W-NFT(Well-being NFT=健康NFT)」が新たな特徴や機能を獲得し、ユニークで希少性の高いものになる。このW-NFTは、エンジンが運営するNFTのマーケットプレイスで、Enjin Coin(ENJ)を使って交換・取引することができる。

サンフランシスコに本社を置くHealth Heroはすでに、マイクロソフトやSlack、Salesforceなどの企業と提携を結び、ウェルネス(健康)へのエンゲージメントをデジタル上で高める事業を進めている。同社のサービスは現在、世界で38,000社を超える企業が利用しているという。

「Go! By Health Hero」プログラムは、アップルやグーグル、フィットビット(Fitbit)などの健康トラッキングデバイスやアプリと連携し、人のアクティビティや健康に関するデータを収集する。このデータをもとに、トークンに希少性を持たせるための機能を備えたW-NFTが生成される。エンジンとHealth Heroは今回の取り組みを、テレグラム(Telegram)などのコミュニケーションチャネルで展開していく。

NFTの取引においてはイーサリアム・ブロックチェーンが広く使われているが、イーサリアム上の取引手数料(ガス代)の高騰は業界内の課題となっている。同時に、「イーサリアム・キラー」と呼ばれるイーサリアムを代替するブロックチェーンに対する注目も集まっている。エンジンは、ガス代無料でNFTを発行・配布できる高速ブロックチェーンの「JumpNet」を開発している。

Health Heroのアンソニー・ディアス最高経営責任者(CEO)は、「Go! By Health Hero」はエンジンのJumpNetを利用して、W-NFTを安価に利用できるようにしながら、電力消費を抑えて地球環境に配慮したものにしていくと、10日の発表文の中でコメントしている。

|編集:佐藤茂
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