2人の著名ビットコイン・コア開発者が離脱──単なる偶然か

ビットコインのベテラン開発者ジョン・ニューベリー(John Newbery)氏が12月10日、ビットコイン開発から離れると発表した。ビットコインの根幹を支えるオープンソースプログラム「ビットコイン・コア」では開発者の離脱が続いている。

ニューベリー氏は「しばらくの間」離れるとツイート。昨年立ち上げたビットコイン開発者コミュニティに資金を提供する組織「ブリンク(Brink)」のディレクターを辞任し、2つのツイッターアカウント、@bitcoinoptech(ニュースレーター「Bitcoin Optech」のアカウント)と@BitcoinCorePRs(ビットコイン・コアの機能追加や改修などを通知するアカウント)の管理も手放した。

ビットコイン・コアはビットコインブロックチェーンの基盤であり、オープンソース開発者がリサーチ、レビュー、テスト、ドキュメント化を行っている。ビットコイン・コアに直接アクセスできるのは限られた管理者のみだ。

前日の9日には管理者の1人、サミュエル・ドブソン(Samuel Dobson)氏が博士課程に集中するために離脱すると発表。ドブソン氏はビットコイン・コアのウォレットの管理者であり、セキュリティ面を担当していた。

大きくなる法的リスク

2人の辞任に先立ち、10月にはプログラムの管理者ヨナス・シュネリ(Jonas Schnelli)氏が離脱している。シュネリ氏は開発者にとって法的リスクに関するストレスが大きくなっていることを離脱の理由にあげていた。

Bitcointalk.orgによると、ビットコイン・コアにアクセスできる管理者は現在わずか3人。また管理者以外でアクセスできるのは2人だ。ビットコイン・コアには、多くの開発者が関わっているが、新しいプログラムを既存のビットコイン・コアに組み込めるのはその5人だけとなる。

今年はじめには、主任管理者のウラジミール・ヴァン・デル・ラーン(Wladimir van der Laan)氏がプロジェクトの分散化を図るために、より「バックグラウンド的な役割」を担うと発表している。

ドブソン氏はメールでの取材に対して、コア開発チームからの最近の離脱はすべて「単なる偶然」と感じていると答えた。

「多くの開発者がレギュラーで関わっているが、常に人の入れ替わりはある。ちょうど何かが変わるシーズンだろう」とドブソン氏は語った。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:2 Prominent Bitcoin Core Contributors Step Away From Their Roles