BTC発行上限の90%に到達、前澤友作氏が宇宙の写真をNFT化へ──12/11~12/17の暗号資産・ブロックチェーンニュース

暗号資産で最も影響力のある人物 2021年版:Top10

「最も影響力のある人物」は、CoinDeskがこの幅広い領域のイノベーションを評価したものだ。まず読者によるアンケートで候補者を選び、次にスタッフが2度の会議を経て決定した。

注目のTop10は以下のとおり。

  • サム・バンクマン-フリード氏(FTX CEO)
  • ロハム・ガレゴズロウ氏(ダッパーラボCEO)
  • ビットコインのタップルート(Taproot)開発者
  • ジャック・マラーズ氏(ストライク創業者兼CEO)
  • イーロン・マスク氏(起業家)
  • チュン・グエン氏(スカイメイビスCEO)
  • シンシア・ランミス氏(米上院議員)
  • ゲイリー・ゲンスラー氏(米証券取引委員会委員長)
  • Do Kwon氏(テラフォームラボCEO)
  • ケイティ・ハウン氏(アンドリーセン・ホロウィッツのゼネラルパートナー)

ビットコインのCO2排出量は普及の妨げ:ドイツ銀行

過去3年でビットコイン(BTC)の時価総額は700億ドルから1兆ドル以上に増加し、「年間の電力消費量は約4倍の200テラワット時(TWh)以上となった」と、ドイツ銀行は暗号資産(仮想通貨)業界の持続可能性についてのレポートで述べた。

「暗号資産の二酸化炭素排出量は普及を妨げる可能性があり」、7月時点で政府系ファンドの64%はESG(環境・社会・ガバナンス)問題についてのポリシーを持っているという。

2人の著名ビットコイン・コア開発者が離脱──単なる偶然か

ビットコインのベテラン開発者ジョン・ニューベリー(John Newbery)氏が12月10日、ビットコイン開発から離れると発表した。ビットコインの根幹を支えるオープンソースプログラム「ビットコイン・コア」では開発者の離脱が続いている。

前日の9日にはサミュエル・ドブソン(Samuel Dobson)氏が博士課程に集中するために離脱すると発表。ドブソン氏はビットコイン・コアのウォレットの管理者であり、セキュリティ面を担当していた。

ナイキ、NFTブランド「RTFKT」買収

ファンション関係のノンファンジブル・トークン(NFT)を手がけるNFTブランド「RTFKT」は12月10日、ナイキによる買収をTwitterで発表。買収条件は明らかにされていない。

買収は完璧なものと言えるだろう。RTFKTの主力アイテムの1つは、スニーカーのNFTコレクション。2021年3月には、NFTアーティスト「FEWOCiOUS」氏とのコラボレーションアイテムが310万ドル(約3億5000万円)で取引され、大きな話題となった。

アバランチはイーサリアムに代わる信頼性の高い選択肢:米バンカメレポート

レイヤー1ブロックチェーン、いわゆる「イーサリアム・キラー」の1つであるアバランチ(Avalanche)は、安全性と分散性を維持しながら拡張可能なため、DeFi(分散型金融)プロジェクト、ノンファンジブル・トークン(NFT)、ゲームなどにおいて、イーサリアムブロックチェーンに代わる信頼性の高い選択肢になる。バンク・オブ・アメリカ(BofA)が12月10日発表したレポートで述べた。

ビットコイン、発行上限の90%に到達──残り210万BTCを切る

ビットコイン(BTC)は12月13日朝、供給量が発行上限の90%に達した(Blockchain.comのデータによる)。発行上現となる2100万ビットコインのうち、1889万ビットコインが市場に供給されていることになる。

2009年1月9日に最初のビットコインがマイニングされてから約12年。だが半減期やハッシュレート(ネットワークの演算能力)などを考えると、残り10%がマイニングされるのは2140年2月頃と予想されている。

CMEのビットコイン先物が「バックワーデーション(逆ザヤ)」

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物は「バックワーデーション(backwardation)=逆ざや」に陥った。この状況は暗号資産(仮想通貨)に対する機関投資家の需要が低下していることを示している。

スキュー(Skew)のデータを見ると、12月13日に先物価格がスポット価格よりも低くなるバックワーデーションが出現、1カ月先物は年率換算で14%近い割引率となり、少なくとも2020年半ば以降で最も大きく下落した。

暗号資産ファンド、流入額は前週から半減

暗号資産(仮想通貨)ファンドへの資金流入は先週、市場が低迷したことで前週比52%減の8800万ドルとなった。コインシェアーズ(CoinShares)が12月13日発表したレポートによると、12月10日に終了した週の暗号資産ファンドへの資金流入は、前週の1億8400万ドルから大きく減少した。

バイナンス、シンガポールでのライセンス申請取り下げ

暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)のシンガポール法人は12月13日、同国でのライセンス申請を取り下げると発表した。ユーザーは2022年2月13日までに資産を引き出さなければならない。

発表によると、バイナンスは2022年2月13日にシンガポール国内向けにサービスを提供していたサイト「Binance.sg」を停止し、既存アカウントをすべて閉鎖するという。

ウェルズ・ファーゴとHSBC、外国為替決済にブロックチェーンを活用

米銀大手ウェルズ・ファーゴと英銀大手HSBCは12月13日、外国為替取引の決済にブロックチェーンを使ったソリューションを使用すると発表。両行は共有の決済台帳を使用し、米ドル、カナダドル、英ポンド、ユーロの取引を行い、将来は他の通貨にも拡大するという。

2022年モバイルアプリ市場のトレンドは「NFT」

マーケティングソフトウェアを手がけるAppLovinは12月13日、モバイルアプリ市場における4つのトレンド予測を発表し、はじめに「NFT」をあげた。暗号資産、NFT、Web3.0のインフラやプロトコルは、ほぼすべての業界にとって有望な分野と評価。2021年のNFT市場は急激な成長を遂げたが、2022年もその勢いは続くと予想した。

フォビジャパン、IEO支援事業の検討を開始

フォビジャパンは12月13日、IEO(Initial Exchange Offering)による資金調達事業の準備を開始すると発表した。IEOは暗号資産取引所への上場を前提とした新規暗号資産による資金調達をいう。

ドージコイン上昇、イーロン・マスク氏がテスラでの決済受け付けを表明

ドージコイン(DOGE)は12月14日、米EV大手テスラのイーロン・マスク(Elon Musk)CEOが決済手段として受け付けると発言したことを受けて、33%急騰した。「テスラは複数の製品をドージコインで購入できるようにし、様子を見る」とマスク氏はツイート。ドージコインは0.20ドルまで上昇し、その後、0.18ドル付近まで下落した。

日本とシンガポール、セキュリティトークンで世界のハブになる:ADDX創業者

ブロックチェーンを基盤技術にするデジタル証券「セキュリティトークン(ST)」をめぐるイベント「デジタル証券フォーラム:資金調達の新手法、セキュリティトークンの登場」が、12月14日に都内で開催された。

イベントでは、シンガポールのデジタル証券取引所「ADDX」創業者兼CEOダニー・トー氏が、セキュリティトークンをめぐる現状と普及に向けた環境づくりなどを説明し、STが切り開く未来について語った。

ブロック(旧スクエア)、Cash Appに暗号資産や株式を贈れるギフト機能追加

米決済大手ブロック(Block、旧スクエア)のCash Appユーザーは株式やビットコインのギフトを最低1ドルから贈ることができるようになる。同社が12月14日にツイートした。「現金を送ることと同じくらい簡単。株式やビットコインを所有していなくても贈ることができる」(同社ツイート)。

「L.O.L. サプライズ!」のNFT登場──基盤はポリゴンを選択

「L.O.L. サプライズ!」のトレーディングカードを店頭で購入すると、ノンファンジブル・トークン(NFT)が付いてくる──米玩具大手のMGAエンターテイメント(MGA Entertainment)が12月14日発表した。世界中で人気を集めているL.O.L. サプライズ!の売上は、250億ドル(約2兆8000億円)以上にのぼるという。

「L.O.L. サプライズ!のNFTは、ファンのエンゲージメントを高めるイノベーティブな方法となり、L.O.L. サプライズ!現象がデジタル領域にまだ波及するエキサイティングな機会となるだろう」とポリゴンはプレスリリースで述べた。

NYDIG、10億ドル調達──FTXの9億ドルを超えて業界最大規模

ビットコイン(BTC)の取引とカストディを手がけるNYDIGは12月14日、10億ドル(約1140億円)の資金調達を行い、評価額は70億ドルを超えた可能性があると発表。CEOのロバート・ガットマン(Robert Gutmann)氏は、ビットコインは「あらゆる業界」に広がる可能性があると声明で述べた。

10億ドルの資金調達は、暗号資産デリバティブ取引所FTXが7月に発表した9億ドルの資金調達を上回り、暗号資産業界で過去最大級の規模となった。

LINE、NFTの総合マーケットプレイスを来春開始──日本円で決済可能

LINEの子会社で、独自のブロックチェーンを開発してきたLVCは15日、2022年春をめどにNFTの販売と取引を総合的に行えるマーケットプレイス「LINE NFT」の提供を開始すると発表。今年6月に立ち上げた「NFTマーケットβ(ベータ版)」との違いなど、新たなマーケットプレイスの詳細を明らかにした。

決済サービス大手にとって暗号資産はチャンス:リサーチ

決済サービス大手のビザ、マスターカード、ペイパルは暗号資産の台頭を脅威と考えておらず、各社は暗号資産エコシステムへの投資を続けるだろう。ニューヨークのリサーチ会社モフェットネイサンソン(MoffettNathanson)は15日、顧客向け文書に記した。

英BCBグループ、100年の歴史を持つドイツの銀行を買収

英暗号資産(仮想通貨)決済サービスプロバイダーのBCBグループはドイツのSutor Bankを買収、EUでの事業拡大を進める。ハンブルクに拠点を置くSuto Bankは1921年に設立された。

カザフスタン、CBDCテスト運用にR3コルダ使用

カザフスタン国立銀行(NBK)は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「デジタル・テンゲ」のテスト運用のプラットフォームにR3のコルダ(Corda)を使用している。同行が12月15日発表したレポートで述べた。

NBKは「取引の匿名性、機密性、追跡性」を維持するコルダの能力と、オープンソースであることを強調。スウェーデン、日本、カナダ、スイス、南アフリカ、フランス、そしてEUもコルダを基盤としたCBDCプロジェクトを成功させている」としている。

「2021 第34回 小学館DIMEトレンド大賞」、IT・ビジネス部門賞にNFT

小学館は12月15日、ビジネストレンドマガジン「DIME」の年末恒例企画「2021 第34回 小学館DIMEトレンド大賞」を発表、IT・ビジネス部門賞には「NFT」が選ばれた。

サザビーズ、NFT売上が1億ドル(約110億円)に

277年の歴史を持つ英オークションハウス「サザビーズ」は、2021年のノンファンジブル・トークン(NFT)作品の売上が1億ドル(約110億円)に達したと発表。NFTは新しいコレクター層を惹きつけ、客層を一段と拡大させたと述べた。

NFTの「急激な成長」と新しいプラットフォーム「サザビーズ・メタバース」の開設によって新たな利用者を獲得、NFT入札者の78%はサザビーズを初めて利用、その半分以上は40歳以下という。

LINEがNFTの海外事業を計画──米国、韓国に新会社「LINE NEXT」設立

LINEは12月16日、NFTのグローバル事業の開発を進めるため、アメリカと韓国にそれぞれ新会社を設立したと発表。韓国で立ち上げたLINE NEXT Corporationは、NFTのグローバルプラットフォームの事業戦略を練り、アメリカのLINE NEXT Inc.が同プラットフォームの運営を行っていく。

adidas Originals、NFTコレクション発表

アディダスジャパンは12月16日、ストリートスポーツブランド「adidas Originals(アディダスオリジナルス)」がブランド初のNFTコレクション「Into The Metaverse」をリリースすると発表した。

メラニア夫人のNFT計画、ツイッターユーザーは困惑

メラニア・トランプ前大統領夫人は12月16日、自身のNFTプラットフォームを開設すると発表し、多くのツイッターユーザーを困惑させた。

プレスリリースによると、元大統領夫人のノンファンジブル・トークン(NFT)は「メラニアのビジョン」というタイトルで、彼女のコバルトブルーの瞳を水彩画風に描いた作品。「コレクターにインスピレーションを与えるものを提供」という。

野村が不動産クラウドファンディングでブロックチェーン活用へ

野村ホールディングス(HD)の子会社で、ブロックチェーンをデジタルトークンの発行・取引プラットフォームを開発するBOOSTRYが、クラウドファンディングにブロックチェーンをかけ合わせる取り組みを始める。

BOOSTRYは、不動産投資型クラウドファンディングサービスの基盤を開発するRelicと提携し、投資家が投資物件の小口証券をプラットフォーム上で売買できるセカンダリー市場の創設を進める。BOOSTRYが開発したブロックチェーン・プラットフォームの「ibet」を活用する。BOOSTRY とRelicが共同で、12月16日に発表した。

メルカリ、プロ野球パリーグとNFT事業──2次流通市場は2022年以降

メルカリと、プロ野球のパシフィック・リーグ6球団が出資するパシフィックリーグマーケティング(PLM)が共同でNFT事業を始める。

メルカリとPLMは年内をめどに、動画コンテンツをNFTで購入できるサービス「パ・リーグ Exciting Moments(エキサイティング・モーメンツ)」の運営を開始する。2社は16日、都内で共同会見を開き、発表した。

前澤友作氏、宇宙で撮影した写真と動画をNFTに

NFT事業を展開するHashPaletteは12月16日、前澤氏が宇宙からNFTを発行する計画を明らかにした。発表によると、同計画を進めるために、HashPaletteが開発する「Palette(パレット)」ブロックチェーンが採用された。

今回の取り組みをプロデュースしているのはARTTODAY社で、同社はHashPaletteのCEOを務める吉田世博氏と、前澤氏が共同出資する企業。HashPaletteはNFTに特化したブロックチェーンの「Palette」の開発を進めており、前澤氏のNFTプロジェクトの支援を行っている。

選挙運動にNFT、米民主党候補者の新たな取り組み

カリフォルニア州の下院選挙に立候補した民主党のシュリナ・クラニ(Shrina Kurani)氏は、選挙活動の一環として16日、ソラナブロックチェーン上で2022個のノンファンジブル・トークン(NFT)を発行する。NFTは、選挙公約とWeb 3.0に関する政策課題を表すもので、クラニ氏の選挙運動に暗号資産業界を呼び込むことが目的だ。

サクソバンク、2022年の大胆予測にNFT

サクソバンクは12月17日、2022年の大胆予測として10項目のトピックスを発表、8つ目に「NFTベースのデジタル権プラットフォームで劣勢に転じるSportify」をあげた。

音楽ストリーミングでは、レーベルとプラットフォームの取り分が収益の75~95%を占めていた。NFTが業界収益の正当な分け前をミュージシャンが取り戻す後押しをすると予測した。 

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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