国際決済銀行の総支配人:中銀の仮想通貨発行は「想定より早い」かもしれない

国際決済銀行の総支配人:中銀の仮想通貨発行は「想定より早い」かもしれない

Brady Dale
公開日:2019年 7月 3日 18:50
更新日:2019年 7月 3日 18:50

ここ数年、仮想通貨に極めて批判的なコメントやレポートを行ってきた 国際決済銀行(Bank for International Settlements:BIS)のアグスティン・カルステンス(Agustin Carstens)総支配人は、各国の中央銀行が間もなく、独自の仮想通貨を発行する必要性が出てくるかもしれないとの見方を示した。

現地時間6月30日、カルステンス総支配人はフィナンシャル・タイムズに、BIS ── 各国の中央銀行にとっての中央銀行のような役割を担う ── は、自国の法定通貨に基づく仮想通貨の研究・開発に取り組む、世界中の中央銀行を支援していると述べた。

数多くの中央銀行がそうした作業に取り組んでおり、「我々は彼らを支援している」とカルステンス総支配人は述べた。そして公の需要が明確であれば、そうした仮想通貨はすぐに登場する可能性がある。

「需要があり、中央銀行による仮想通貨を提供する必要があると我々が考えるよりも、登場は早いかもしれない」

フェイスブックが仮想通貨「リブラ」の計画を発表した後に出されたこのコメントは、世界中の規制当局を驚かせ、大きな話題となった。数十億人のユーザーを抱えるテック企業が独自の通貨を発行することは、法定通貨の驚異となる可能性があるからだ。

フランスの経済・財務大臣は、リブラが独立した主権を持つような通貨になることは許されるべきではないと語った

アメリカでは、マクシーン・ウォーターズ(Maxine Waters)下院議員が公聴会が開かれるまで、計画を中断するようフェイスブックに求めた

BIS自身は、最新の年次報告書の中でフェイスブックの名前を挙げ、リブラのような取り組みは、中央銀行による通貨コントロールの長期的な驚異となるとの恐れを表明している。

「規制当局は、大手テック企業の広い顧客基盤、情報へのアクセス、広範なビジネスモデルを考慮に入れて、大手テック企業と銀行の間の対等な競争環境を確立しなければならない」

フィナンシャル・タイムズの取材の中で、カルステンス総支配人は再度、フェイスブックの問題を取り上げた。

「リブラはどのように使われるか、情報、つまり信用供与に使われるデータは開示されるのか、データのプライバシーはどのように保護されるのかなどが問題」

そして、こうした仮想通貨を規制するための「簡単な方法」は、「直接的で明確な」マネーロンダリングの懸念に取り組むことと付け加えた。

翻訳:Masaru Yamazaki
編集:佐藤茂、浦上早苗
写真:Agustin Carstens image via Sari Huella/Wikimedia Commons
原文: BIS Chief: Central Banks May Issue Digital Currencies ‘Sooner Than We Think’