カナダ、34ウォレットの取引停止を要請──トラック運転手のデモ活動で

オンタリオ州警察(Ontario Provincial Police)と王立カナダ騎馬警察(RCMP:Royal Canadian Mounted Police)は、規制下にあるすべての金融機関に対して、トラック運転手を中心とした国内の抗議活動に資金提供しているとみられる34の暗号資産(仮想通貨)ウォレットの取引停止を要請した。

カナダの警察当局は、カナダ金融取引・報告分析センター(FINTRAC:Financial Transactions and Reports Analysis Centre of Canada)と連携して、ワクチン義務化に対する抗議活動を支援する暗号資産の寄付活動を調査している。カナダのトルドー首相は14日、1988年に制定されて以来、初めて非常事態法を発動、抗議活動を違法とした。

アメリカとの国境を行き来するトラック運転手への新型コロナワクチン接種の義務化に対して、1月末頃から抗議活動が広がっている。トラック運転手たちは、カナダのいくつかの州でアメリカとの国境にかかる橋をトラックで封鎖した。

取引停止を命じたリストには、29のビットコイン(BTC)アドレスのほか、イーサリアム(ETH)、カルダノ(ADA)、イーサリアムクラシック(ETC)、ライトコイン(LTC)、モネロ(XMR)のアドレスが含まれている。リストは16日、Twitter上に広まった。米CoinDeskはその真偽を確認した。

寄付者はこれらのアドレスに20ビットコイン(約87万ドル、約1億円)以上を送付している。900万ドル(約10億4000万円)以上を集めたクラウドファンディングサイトのGoFundMeの寄付アカウントが停止された後、寄付者たちは暗号資産に注目した。

非常事態法は、抗議者の「懐」を狙うものだった。フリーランド副首相は、銀行は裁判所の命令と民事責任の恐れなく、抗議者と関連している銀行口座を直ちに凍結できると述べた。

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RCMPとFINTRACにコメントを求めているが、まだ返信はない。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Canada Sanctions 34 Crypto Wallets Tied to Trucker ‘Freedom Convoy’