日本発のイーサリアム互換チェーンを公開──電通、みんなの銀行、ピクシブが参画

ブロックチェーン関連スタートアップのG.U.Technologiesは4月5日、イーサリアム(Ethereum)に互換性をもつEVM互換ブロックチェーンを立ち上げると発表した。同日、ブロックチェーン・ネットワーク「Japan Open Chain」メインネットβ版を公開した。

電通やふくおかフィナンシャルグループ傘下のみんなの銀行、ピクシブ、京都芸術大学などと共同で運用する。運営者ノードであるバリデータやノード、サーバーのすべてを日本国内で運用し、「日本で誰もが馴染みのある企業がバリデータとなる」ことで、運営の信頼性を確保するという。

法律や技術の面で、安心して利用できるブロックチェーンネットワーク構築を目的に企画された。Proof of Authority(PoA)コンセンサス・アルゴリズムを採用し、電力消費量が少なく、環境負荷を低減できるという。

今後、レイヤー2(Layer2)として動作するための機能研究を進める。将来的には、参加企業によるステーブルコインやNFTなどのWeb3ソリューションの実証実験を実施する。

NFT(ノン・ファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アートやイラスト、写真、アニメ、ゲーム、動画などのコンテンツの固有性を証明することができる。NFTを利用した事業は世界的に拡大している。

Web3:Web3.0とも呼ばれ、ブロックチェーンなどのピアツーピア技術に基づく新しいインターネット構想で、Web2.0におけるデータの独占や改ざんの問題を解決する可能性があるとして注目されている。
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電通は、「ビジネスプロデュースの可能性を拡げる視点でWEB3.0サービスを追求すべく、参画した」とコメント。みんなの銀行は、「銀行というビジネスドメインの先にある、新しい金融機能の提供を通じた新たな価値創造を目指す。ブロックチェーン技術の活用を通じた価値あるつながりの可能性を模索する」という。

G.U.Technologiesの稲葉大明CEOは、Japan Open Chainについて、「日本法に準拠したオープンなブロックチェーンを構築する」と話し、金融当局との連携を重視する。稲葉氏は、都市銀行を経て、日本リスク・データ・バンクで副社長を務めた後にG.U.Technologiesに参画している。

|取材・テキスト:菊池友信
|編集:佐藤茂
|トップ画像:G.U.テクノロジーズの発表文より