ビットコイン、2万7700ドル付近に下落──週末は2万8000ドルを維持

4月、ビットコイン(BTC)には晴れが続くのか、雨が降るのか?

週末は新たな動きは見られず、ビットコインは3月下旬の水準で新しい月を迎えたが、銀行の破綻、インフレ、規制強化などは価格を変動させる要因となり得る。

ビットコインは当記事執筆時点、24時間で1.3%下落し、2万8045ドル付近。3月、ビットコインは約21%上昇した。この2週間は乱高下が続いたもの、常に2万8000ドルの回復する動きとなった(日本時間3日14時30分頃には、2万7700ドル付近に下落している)。

暗号資産運用会社BitBull Capitalのジョー・ディパスクァーレCEOは「ビットコインはここ1週間ほどレリジエンスを維持しており、その結果、市場センチメントは全般的に改善した」とCoinDeskにメールで述べた。

同氏はビットコインが200日移動平均線の上で取引されていることに触れ、「歴史的に強気の値動きの指標」と指摘した。

イーサリアム(ETH)も24時間で1.6%下落して1788ドル付近、だが過去2週間のレンジに収まっている。イーサリアムブロックチェーンは4月12日に大型アップグレード「シャンハイ」を控えている。プルーフ・オブ・ステーク(PoS)に完全に移行し、ステーキングされたイーサリアムの引き出しが可能になる。

時価総額上位25位までの他の暗号資産は、概ね下落した。

レイヤー2ブロックチェーンのアービトラム(ARB)は、24時間で7.4%下落して1.19ドル付近。下落は、アービトルムが目指す分散型エコシステムの推進を担うアービトルム財団が、約10億ドルのARBを自身に送付することをはじめ、すでに実施した決定に対して「承認」を求める投票を行ったことについて、コミュニティの中で騒ぎが起きているなかでのこと。4月2日、財団は、コミュニティの圧力を受けて、問題となっている一連の決議事項を別々の投票に分割すると発表した。

人気のミームコインであるドージコイン(DOGE)と柴犬コイン(SHIB)はそれぞれ5.5%、4.8%下落。暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)は1.2%下落した。

株式市場は、ナスダックが1.7%上昇し、S&P500とダウ平均はそれぞれ1.2%、1.4%上昇し、第1四半期をプラスで終えた。

今週、アメリカでは耐久財受注、非農業部門雇用者数が発表される。雇用市場の好調さは、米連邦準備制度理事会(FRB)が経済の継続的な強さを判断するための重要な指標で、歴史的にインフレ率の上昇につながるものだ。

Bannockburn Global Forexのマネージングディレクター兼チーフマーケットストラテジストのマーク・チャンドラー(Marc Chandler)氏はCoinDesk TVに出演して、「3月初めにみられた金融ストレスは後退している」と述べ、「これによって、市場は銀行ストレスの前に存在した2つのことに集中できるようになった」「1つは労働市場がかなり堅調に推移していること。そして、インフレはFRBにとって高すぎること」と続けた。

|翻訳:coindesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:First Mover Asia: Bitcoin Holds Above $28K as Investors Await Fresh Productivity, Jobs Data