Facebook傘下のWhatsApp、アフリカでブロックチェーン政策専門家の採用を検討

ソーシャルメディア大手のフェイスブック(Facebook)傘下のメッセージアプリプロバイダー、ワッツアップ(WhatsApp)は、サハラ以南のアフリカでブロックチェーン規制の専門家の採用を目指している。

ワッツアップは先日、「フェイスブックのアフリカ公共政策チームと密接に協力し、ブロックチェーン技術やデジタル決済がアフリカの社会経済的発展に確実に寄与できるようにしていく」公共政策マネジャー職の求人情報を投稿した。

この求人情報には、物議を醸しているフェイスブックの仮想通貨プロジェクト「リブラ(Libra)」について言及されておらず、この求人が同プロジェクトにどれほど関わることになるかは不明である。また、リブラ用のウォレットを開発するフェイスブックの子会社、カリブラ(Calibra)についても触れられていない。

ただし、リブラの目標には、開発途上国で十分なサービスを受けていない人々に金融サービスをもたらすこと、具体的には、ワッツアップ上での送金を可能にすることも含まれている。

これに関し、ワッツアップがコメントの求めに応じることはなかった。

この職は、ロンドンまたはヨハネスブルクでの勤務と頻繁な出張、ブロックチェーン、デジタル・アイデンティティ、仮想通貨の専門知識が必要となる。

ワッツアップを受けてリブラがアフリカに見込む可能性

フェイスブックに2014年に買収されたワッツアップは、アフリカで最も人気のあるメッセージアプリである。国際通貨基金(IMF)によれば、サハラ以南のアフリカでは、モバイルマネー・アカウントが銀行口座の数を超えており、GDPの10%近くの取引がモバイルマネーで行われる世界唯一の地域である。

フェイスブックは、リブラの2020年前半でのローンチを目指していると述べたが、プライバシーから金融安定までリブラがあらゆるものに与える可能性のある影響をめぐって世界中の規制当局が表明した懸念に対処するまではローンチをしないと約束している。

カリブラもまた、認可責任者、コンプライアンス責任者、詐欺担当責任者を含めたコンプライアンスチームを作り上げている。

同社採用情報ページによればフェイスブックは、ヨーロッパ、中東、アフリカ担当の公共政策マネジャーを含む、50のブロックチェーン関連のポジションで採用を行おうとしている。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Facebook’s WhatsApp Seeks Policy Expert to Champion Blockchain in Africa