上昇相場反転でビットコインは5%下落、3万6000ドル下回る──2日で3億4000万ドルが清算

ビットコイン(BTC)は16日に5%下落し、3万6000ドル(約540万円、1ドル150円換算)を下回った。上昇と下落を繰り返すパターンが先週から続いており、15日の上昇分は帳消しとなった。

ビットコインが急騰し、18カ月以上ぶりに3万8000ドルの水準を突破するところまであと数ドルに迫ったのは、わずか24時間前のことだった。

ロングポジションの清算で急落

過去6週間の上昇局面でよく見られた傾向だが、まとまった売り注文がラウンドナンバーに近い水準にある可能性が高い。ビットコインが3万8000ドルに近づくと売り注文が優勢となり、価格は下落した。今回はそれによってレバレッジをかけたロングポジションの清算が起き、さらに急落した。

ここ2日間の暗号資産市場の激しい上下動はデリバティブトレーダーに大きな打撃を与え、期間中に約3億4000万ドルのレバレッジをかけたポジションが清算されたことがデータ分析会社コイングラス(CoinGlass)のデータで示されている。

1日あたりの暗号資産清算の合計(CoinGlass)

ソラナ等ほとんどが下落、アバランチは上昇維持

この日はほとんどの暗号資産がビットコインの下落に追随。イーサリアム(ETH)は過去24時間で4%下落し、1960ドルとなった。ソラナ(SOL)とチェーンリンク(LINK)はそれぞれ6%、9%下落した。

急落に巻き込まれなかったのはアバランチ(AVAX)で、前日も2桁上昇していたところからさらに7%上昇した。

暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)はこの日4%下落した。

ビットコイン現物ETFの遅延で勢いが削がれる

米証券取引委員会(SEC)は15日、資産運用大手ハッシュデックス(Hashdex)が提出したビットコイン現物ETF申請に関する決定を延期し、現物ETFが年内に承認されない可能性が高まった。

暗号資産市場分析会社K33 Researchは今週のレポートで、今週SECの決定がなければ、2024年初めに設定される次の期限まで暗号資産市場の勢いが止まる可能性があると指摘した。

現物ETFに対する楽観的な見方の高まりと、機関投資家や個人からの多額の流入が期待されており、ビットコインは9月の2万5000ドルから3万8000ドル手前まで上昇した。フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)の申請に関して判断が行われる期限は17日なので、今週中にさらにニュースが出る可能性もある。しかし、SECがこれについても遅延を決定すること以外を期待している人はほとんどいない。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Dips 5% to Under $36K as Crypto Rally Runs Into Wall, Liquidating $340M in 2 Days