ペイパル、リブラ協会から脱退──ペイパル、同協会のコメント

ペイパルはリブラ協会(Libra Association)から脱退した。10日4日(現地時間)、同社が発表した。

ペイパルの広報担当者はCoinDeskに文書で、同社はフェイスブックが主導する仮想通貨プロジェクトへの「これ以上の参加を見合わせることにした」と述べ、その代わりに「我々がすでに掲げているミッションとビジネスにおける優先課題を推進することに注力し、現在、金融サービスを受けられない人々に対する金融サービスへのアクセスの民主化に力を注ぐ」と述べた。

文書は以下のように記した。

「我々はリブラの大きな目標を支持し続け、将来において連携する方法について継続的な対話を続けたいと考えている。フェイスブックはペイパルにとって長年の、価値ある戦略的パートナーであり、我々はこれからもパートナーであり続け、さまざまな面でフェイスブックをサポートしていく」

「我々はペイパルから連絡があったこと、参加する意図がないことを確認した」とリブラ協会の広報担当者はメールでCoinDeskに述べた。

フェイスブックは6月にリブラを発表、世界中の銀行口座を持たない人々に金融サービスを提供するためにステーブルコインをローンチすると述べた。

だがプロジェクトはすぐに規制当局からの批判を浴び、複数の国の議員はフェイスブックは世界の金融秩序を不安定化させるリスクをもたらす可能性があると主張。フランスとドイツの閣僚はプロジェクトを阻止すると表明し、米下院議員のマキシン・ウォーターズ(Maxine Waters)氏はフェイスブックにすべてのプロジェクトの中止を求めている。

フェイスブックは、リブラ・トークンのガバナンスを監督するために27社のローンチパートナーと協力していくとしていた。

リブラ協会は10月14日に会合を開き、協会設立を正式に調印する予定。

4日、リブラ協会のポリシー&コミュニケーションの責任者、ダンテ・ディスパルテ(Dante Disparte)氏は声明で「金融サービスを受けていない数百万の人々に力を与えるモダンで、効率的で、高いセキュリティを備えたネットワークを構築することは、長い旅。リブラのような世代を代表する支払いネットワークを構築する旅は、簡単な道のりではない」と述べた。

「我々は、この挑戦が困難なものであり、この旅を始めた各組織は、リブラが約束している変化を見通すことにコミットするリスクと報酬を独自に評価しなければならないと認識している。我々は10日後に行われる初のリブラ・カウンシルの会議を楽しみにしており、1500の事業体が参加に熱心な関心を示していることなど、その後の最新情報を共有する」

今回のニュースは、ファイナンシャル・タイムズ(Financial Times)がペイパルが脱退を検討していることを伝えた翌日に伝えられた。

翻訳:CoinDesk Japan編集部
編集:増田隆幸
写真:David Marcus, CEO of Facebook’s Calibra subsidiary, July 17, 2019, image via House Financial Services Committee
原文: PayPal Withdraws From Facebook-Led Libra Crypto Project