Facebook「リブラ」支持の米議員とその言い分

Facebook「リブラ」支持の米議員とその言い分

Brady Dale
公開日:2019年 10月 24日 00:53
更新日:2019年 10月 24日 00:53

冷笑の嵐の中、1人の米上院議員がリブラ(Libra)を称賛している。

共和党のマイク・ラウンズ(Mike Rounds)上院議員(サウスダコタ州)は、リブラ協会(Libra Association)のメンバーで、サウスダコタ州に拠点を置く信託会社アンカレッジ(Anchorage)に対して書簡を送り、フェイスブック(Facebook)が主導するリブラプロジェクトに支持を表明し、リブラはアメリカの消費者を助けるために自身が必要と感じている技術的進展の一例であると述べた。

ラウンズ議員はさらに、民主党のブライアン・シャッツ(Brian Schatz)上院議員(ハワイ州)とシェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)上院議員(オハイオ州)が、マスターカード(Mastercard)、ビザ(Visa)、ストライプ(Stripe)のCEOに対して、リブラへの参加を継続した場合には規制当局からの監視が強まる可能性があると警告した、より「脅迫的」な書簡に反対の姿勢を示した。(これら3社と、ペイパル(PayPal)、イーベイ(eBay)、メルカドパゴ(Mercado Pago)、ブッキング・ホールディングス(Booking Holdings)はその後、プロジェクトからの離脱を決定した。)

「リブラのようなテクノロジーは(中略)アメリカで銀行を利用できていない人たち、十分な金融サービスを受けられていない人たちの役に立つ可能性を秘めています」と、ラウンズ氏は2019年10月16日(現地時間)に記し、次のように続けた。

「より多くの最も脆弱なアメリカの国民を、この国の金融サービスシステムへとつなぐ可能性のある新しいソリューションを排斥してしまうことは、残念なことです」

フェイスブックは6月にリブラ構想を公表し、あらゆるスマートフォンでアクセス可能なデジタル通貨を利用して世界中で17億人の銀行を利用できない層へ金融サービスを届ける計画を発表し、幅広い批判規制当局からの反発にさらされた。政治家や規制当局は、国際的金融秩序を不安定にする可能性のあるツールとして、リブラプロジェクトを非難した。

構想発表時にフェイスブックは、子会社のカリブラ(Calibra)とその他27社の企業が、プログラムを管轄する運営評議会を構成すると発表し、リブラのローンチ時にはメンバー企業を100社にまで拡大する計画である。スイスのジュネーブで、21社の企業が正式にリブラ協会の憲章に署名した。

リブラの開発

ラウンズ議員は書簡の中で、リブラが非銀行利用者層の支援のために秘めた潜在能力を強調し、連邦準備制度理事会(FRB)による独自のリアルタイプ決済プラットフォームの構築は「まだ何年も先である」と指摘した。その代わりに仮想通貨がその役割を果たすことができる、とラウンズ議員は主張した。

「FRBがフェッドナウ(FedNow)を完成させるまでにかかる時間を考えれば、FRBによるデジタル通貨をめぐる最近の議論が実を結ぶかどうかを見極めるまでリブラ協会は待つべきではない」と、ブラウン議員は述べた。

さらに、仮想通貨をめぐる現状の法的枠組みの古さを考えると、アメリカ国内でのリブラへの反発は「特に不可解である」とラウンズ議員は述べ、次のように続けた。

「現状で我々は、仮想通貨が証券かどうかを確定するはっきりとした法的な方法を持ち合わせていません。これらの疑問に答えるための法的基盤は、1933年の証券法に根ざしています。この法律はコンピュータやインターネットが生まれる半世紀以上も前、ハワイが州になる20年以上も前、ジェットエンジンが開発される10年以上も前、アメリカ郊外の90%に電気が普及していなかった時代に作られたものです」

(米商品先物取引委員会(Commodity Futures Trading Commission)の元委員長、ゲーリー・ゲンスラー氏(Gary Gensler)氏は以前、リブラは少なくとも上場投資信託(ETF)のように見えると述べたが、ETFは既存の証券法の管轄下に入る。)

リブラ協会とそのメンバーはプロジェクトの開発において法律を遵守するべきだが、今回の反発は「イノベーションにとって健全ではない」とラウンズ議員は主張した。

「デジタル通貨におけるイノベーションに関して、私の同僚議員数名の要求が決定的な連邦政策と捉えられるべきではありません」とラウンズ議員は付け加えた。

ラウンズ議員は米議会や米規制当局との対話を2つの例として挙げ、現在までのリブラ協会による「協議アプローチ」を称賛した。

「リブラ協会はまだ、ガバナンスの枠組みと運営規則を整備する過程にありますが、リブラを作り上げる過程ですでに成し遂げた進展を失ってしまうことは残念なことです」と、ラウンズ議員はアンカレッジに対して述べた。

ラウンズ議員は、多くの仮想通貨企業が、海外で活動する方がより楽であると自身に伝えてきたとして、リブラを別にしても、アメリカの議会と規制当局は、仮想通貨企業が米国内で事業を行うことをより簡単にするために行動するべきだと主張した。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Mike Rounds image via Voice of America / Wikimedia Commons 
原文:Facebook’s Libra Just Got Its First Major Supporter in Congress