- 暗号資産市場は大幅な売りが記録され、ビットコイン価格は日曜日に8万ドル近くまで下落し、ドージコインやカルダノなどの主要トークンも大幅な損失を記録した。
- 暗号資産の「恐怖と貪欲指数」は数年来の最低値を記録し、ホワイトハウス暗号資産サミットでのインパクトのある発表の欠如や、現在進行中の世界的な関税戦争を受けて、投資家の「極度の恐怖」を示している。
- トレーダーは現在、マクロ経済データや決定事項を慎重に観察しており、一部ではアメリカ連邦準備制度理事会（FRB）が5月にも金利を引き下げる可能性を見込んで短期国債を購入する動きもある。
暗号資産（仮想通貨）市場の売りは2週目に突入し、ビットコイン（BTC）の価格が日曜の深夜に8万ドル近くまで下落したことで、主要トークンやアルトコインの新たな下落が引き起こされた。
データによると、ドージコイン（DOGE）とカルダノ（ADA）が過去24時間でほぼ10％下落し、損失を主導した。エックス・アール・ピー（XRP）は7％以上下落した。バイナンスコイン（BNB）、イーサリアム（ETH）、トロン（TRX）は5%下落し、BTCは4%下落した。
これにより、よく注目されている暗号資産の「恐怖と貪欲指数（crypto fear and green index）」は、2023年半ば以来の最低水準である「極度の恐怖」を示す17という数年来の最低値を記録した。
この指数は投資家の感情を測定し、0（最低のセンチメント）から100（最高のセンチメント）の範囲で数値化します。これにより、投資家が過度に恐れているか（潜在的な買いの機会）、あるいは強欲になり過ぎているか（市場の調整の可能性）を特定することができる。
この指数は、価格変動、モメンタム、ソーシャルメディアのセンチメント、Googleトレンドのデータ、ビットコインの市場シェア全体に基づいて算出され、短期的には逆張りの指標として機能する傾向がある。
今月初めにドナルド・トランプ（Donald Trump）大統領がアメリカにおける戦略的暗号資産準備を発表した後、XRP、ソラナ（SOL）、ADAは数日で最大60%上昇したが、その利益を完全に失った。
トレーダーたちは、アメリカによる主要トークンへの買い圧力という思わぬ事態に期待していたが、トランプ大統領が以前差し押さえられたBTCを準備金として再利用し、BTC以外の差し押さえ資産はトークンの「備蓄」とみなすと言ったことで、期待は打ち砕かれた。
そして、3月7日のホワイトハウスの暗号資産サミットは、期待された大胆な発表もなく「期待外れ」に終わった。このサミットでは、8月までにステーブルコインの法規制の枠組みを策定し、規制を緩和するという約束がなされたが、これらの成果は市場を刺激するには至らなかった。
トランプ大統領や他の世界の指導者たちによって引き起こされた関税戦争が続く中、世界市場が打撃を受けたことで損失は拡大した。米ドルの強さを測る指標であるドル指数（DYX）（100を超えるとドル高と見なされ、リスク資産に圧力がかかる傾向がある）は105を下回り、11月以来の最低値にある。
トレーダーたちは、主にマクロ経済データや政策決定を注視しながら、今後のポジショニングの手がかりを探るという様子見の態勢に入っている。
ハッシュキー・リサーチ（HashKey Research）のディレクターであるケビン・グオ（Kevin Guo）氏はテレグラムのメッセージでCoinDeskに対し、「サミットはより楽観的なシグナルを送った」と語った。「2月の雇用統計では政府の人員削減がありながら概ね安定した結果が得られたことを受けて、暗号資産が米国株のマイナストレンドに追随し続けているため、より実質的な発表が期待されていたにもかかわらず」。
「投資家は、ジェローム・パウエル（Jerome Powell）連邦準備制度理事会（FRB）議長が、インフレ率2％という険しい道のりに対して忍耐を続けると確約したため、トレンドの逆転は期待していない。これにより、今年中の利下げの期待はさらに低下した」とグオ氏は付け加えた。
一方でブルームバーグによると、トレーダーたちは経済悪化を防ぐためにFRBが早ければ5月にも金利引き下げを再開するだろうと予想し、短期米国債を購入している。これは暗号資産の強気派にとっては希望の兆しであり、金利低下はよりリスクの高い資産への流入を生み出す傾向がある。
｜翻訳：CoinDesk JAPAN
｜編集：井上俊彦
｜画像：Shutterstock
｜原文：DOGE, ADA, XRP Tank 10% as Market Sentiment Index Flashes ‘Extreme Fear’, Falls to Nearly 17 Month Low
