ビットコインはもはや「デジタルゴールド」ではない

ビットコインはもはや「デジタルゴールド」ではない

S&P500との相関関係は?

もし「デジタルゴールド」という言葉が「金融市場の混乱時に投資家がお金を置いておく安全な避難先となる資産」を意味するなら、ビットコインは以前ほどその目的にかなっていない。

2019年のほとんどを通じて、ビットコイン価格はS&P500とある程度の負の相関関係を見せた。つまり、ビットコインは指標となる株式市場のインデックスが下がった時に値上がりし、インデックスが上がった時には値下がりした。

しかし、デジタル・アセット・データ(Digital Assets Data)のデータによると、10月初旬以降、その関係は弱まった。

下のグラフで見られる通り、一度はマイナス20〜30%まで行った相関関係は現在、マイナス10%付近の値で平行線をたどり始めている。

株式市場との相関関係がゼロに近づく程、あるいはプラスになると、ビットコインを「嵐の際の逃げ場」として表現することは難しくなる。

「投資家はグローバルな経済の混乱に対する防衛策としてビットコイン投資を始めた可能性があり、負の相関関係は価値の保管、すなわちデジタルゴールドというビットコインのテーマを支えてきた」とデジタル・アセット・データのデータサイエンティスト、ケビン・カルテンバッチャー(Kevin Kaltenbacher)氏は述べた。

「最近の展開は、そのようなストーリーに困難を突きつける可能性がある」

マクロ仮想通貨アナリストのアレックス・クルーガー(Alex Kruger)氏は、ツイッターで皮肉を述べ、株式市場と外国為替市場、そしてそれらとビットコインの関係に言及した。

「『株価がビットコイン価格を上げる』というミームが間違っていることが再び証明された。『中国元オフショア(Chinese Yuan Offshore:CNH)でのヘッジがビットコイン価格を上げる』というミームの復活にはぴったりの時」とクルーガー氏は述べた。

それでもビットコインは上がっている

安全な避難先であってもそうでなくても、ビットコイン価格は2019年初頭から大きく上がっている。

CoinDeskのビットコイン・プライス・インデックスによると、協定世界時12月4日には、1月1日に記録した3689ドル(約40万円)から94%上がっていた。

当記事執筆時点では、ビットコインは7140ドル(約78万円)で取引されており、6月26日に記録した2019年最高値の1万3880ドル(約151万円)から48.5%下落した。

つまりビットコインはデジタルゴールドとしての資格がないとしても、長期的なビットコイン保有者は、ビットコインが現在見せている価格のボラティリティを恐れる必要はまったくないとデジタル・アセット・データの共同創業者エディ・アルフレッド(Eddie Alfred)氏は語った。

今の時期は例外とアルフレッド氏は指摘した。

「ビットコインの誕生から29日周期で観察すると、最近の高値から25%以上下がった日は195日。つまりビットコイン市場が同様の状況に直面してきたのは、ビットコインの歴史において約5%」とアルフレッド氏は述べた。

※筆者は記事執筆時点で仮想通貨資産を保有していない。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Close up of Christmas lights, image from rawpixel.com / Markus Spiske.
原文:Bitcoin No Longer Looks Like ‘Digital Gold’ by One Measure
(編集部より:記事中の記載に誤りがありました。訂正して記事を更新しました)

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