CoinDeskが選ぶ、ブロックチェーン/仮想通貨で最も影響力のある人物:2019年版

ブロックチェーン/仮想通貨業界のニュースを伝えることの素晴らしさの1つは、大胆でクレイジーなチャレンジを行っている、魅力的で頭のいい人たちが無限に存在していること。

大胆な起業家・開発者から、素晴らしい思想家・コミュニケーターまで、この業界には既成概念の枠を押し広げるさまざまな人々で溢れている。そうした気持ちで、2019年に並外れたことを成し遂げた人々、最も影響力のあった人物を紹介していきたい。

ワイオミング州を「ブロックチェーンの州」として確立しているケイトリン・ロング(Caitlin Long)氏、メーカーダオ(MakerDAO)を立ち上げたルーン・クリステンセン(Rune Churistensen)氏、リブラ(Libra)の責任者デイビッド・マーカス(David Marcus)氏──良い意味でも悪い意味でも、これらの人々は影響を及ぼし、議論を巻き起こした。

人選は3ステップで行った。まず、CoinDeskのスタッフが候補者リストを作成。次に読者による投票。そして、すべての意見をもとに、CoinDeskが最終的な決定を行った。

ただし、人選は称賛すべき1年、おそらくキャリアの中で最高の1年を送ったことを基準に行った。史上最も影響力のある人たちのリストではなく、著名な大物が全員含まれているわけではない。

ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は2019年、シリコンバレーにおいてビットコインを支持したのみならず、そのコアプロトコルに取り組む開発チームに資金を提供したことで選ばれた。

急死したジェラルド・コットン(Gerald Cotten)氏は、(再び)古い格言の正しさを教えてくれた。「鍵がなければ、あなたのコインではない」。

皆さんがこのリストをどう受け取るかは別として、このリストをきっかけに議論を楽しんでいただけることを願っている。

メリークリスマス!

ジャック・ドーシー氏

クリックで動画(英語)が閲覧できます(以下同)。

ツイッターの共同創業者ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は2019年、シリコンバレー最大のビットコイン支持者として出現した。彼はビットコインの未来に大きく投資し、フェイスブック(Facebook)とリブラ(Libra)のウォールド・ガーデン(クローズド・プラットフォーム)型アプローチから距離を置いた。

ドーシー氏はいつの日かインターネットがネイティブ通貨を持つことを望んでおり、それがビットコインであることを願っている。(文:Leigh Cuen)

ケイトリン・ロング氏

ケイトリン・ロング氏は、ワイオミング州をアメリカで最も仮想通貨フレンドリーな州として確立した。スピーチがうまく、妥協しない彼女は、仮想通貨スタートアップを彼女の地元ワイオミング州に引きつけるための法律の成立をサポートした。

ロング氏はウォール街とのつなぎ役。現在、スタートアップ企業がワイオミング州に移りつつあり、他の州もワイオミング州を見習おうとしている。(Jessica Klein)

アンドリュー・ヤン氏

洗練されたIT系の知性と、複数の思慮深い/大胆なアイデア(ユニバーサル・ベーシックインカムなど)を持つというイメージのアンドリュー・ヤン(Andrew Yang)氏は、ゼロから出発して大統領候補の1人になった。

彼は仮想通貨政策を掲げる唯一の候補者で、仮想通貨業界の大物にも人気がある。もし勝利すれば、「仮想通貨コミュニティー全体のためにホワイトハウスでパーティーを開く」予定。(Mark Yarm)

デビッド・マーカス氏

デビッド・マーカス(David Marcus)氏はフランス生まれの洗練された人物で、フェイスブックが主導するステーブルコインプロジェクト「リブラ」の共同開発者。彼は優れた起業家で、世界を救う説得力のあるメッセージを持っている。

だが、フェイスブックが複数のスキャンダルの渦中にあり、人々の信頼を日々失いつつある中、マーカス氏はお金の未来をフェイスブックに託すよう、私たちを説得することできるだろうか?(Ben Shiller)

セルゲイ・ナザロフ氏

いつも格子縞のシャツを着ているセルゲイ・ナザロフ(Sergey Nazarov)氏は、ブロックチェーンと外部の情報をつなぐ仕組みを構築し、ブロックチェーンが実際の世界で機能できるようにしている(それにより、業界にとっての大きな問題を解決する)。

ナザロフ氏は効率性を最大化し、摩擦のもとを取り除き、何がベストかを見極めることに突き動かされている人物。(Andrew Leonard)

ルーン・クリステンセン氏

メーカーダオ(MakerDAO)は、分散型金融(DeFi)で最も重要なプロジェクトとなり、DeFiはイーサリアム界で最も発展し得る分野として台頭している。そのすべてにおいて、ルーン・クリステンセン(Rune Christensen)氏は中心人物であり続けてきた。必ずしも本人の望みではなかったかもしれないが。

時には辞めて、まったく別のキャリアをスタートさせることを考えることもある。(Brady Dale)

メルテム・デミラーズ氏

7月の米下院金融サービス委員会での証言というスターな立場から、5月のマジカル・クリプト・カンファレンス(Magical Crypto Conference)でのトイレからシットコインを投げ出すパフォーマンスまで、メルテム・デミラーズ(Meltem Demirors)氏は大人気。

彼女は物事を率直に表現し、それを楽しむ。かつては企業人としてのメルテム氏と、面白いメルテム氏がいたが、今ではそれが1つに合わさった。(Mark Yarm)

ムネーブ・アリ氏

ムネーブ・アリ(Muneeb Ali)氏は、自身の会社ブロックスタック(Blockstack)がレギュレーションA+(Reg A+)のもとでトークンオファリングができるよう規制当局を説得し、実施した初の仮想通貨企業となった。今後おそらく他の企業も後に続くだろう。

しかし、その件についてジャーナリストと話をするより、彼はオフィスでソフトウエアのバグを探すことの方が好きなようだ。心底、エンジニアだ。(Christine Kim)

テッド・リビングストン氏

2019年、他の人たちは和解を選んだが、テッド・リビングストン(Ted Livingston)氏は仮想通貨の原則について米証券取引委員会(SEC)と戦うことを選んだ。戦うことが彼の勇気を示すのか、無謀さを示すのかは、まだ答が出ていない。彼は勝てるのか、責任ある対応だったのかについて、人々の意見は異なっている。

しかしこれだけは確かだ。キック(Kik)とキン(Kin)の共同創業者である32歳のリビングストン氏は、楽な道は選ばなかった。ブレイディー・デール(Brady Dale)

ジェラルド・コットン氏

仮想通貨取引所のオーナー、ジェラルド・コットン(Gerald Cotten)氏は、顧客の仮想通貨資産を保管したウォレットの唯一の鍵を持ったまま、若くして突然、亡くなった。

しかし、それが本当にことの真相なのだろうか? それとも巧妙な出口詐欺なのか? 2019年の最も奇妙で衝撃的なストーリーを伝え、学ぶべき教訓を問いかけた。(Nikhilesh De)

ホドルノート氏

クレイグ・ライト(Craig Wright)氏は、自分がビットコインの生みの親と主張し、そうではないとと述べたホドルノート(Hodlonaut)氏と対決姿勢を取った。

ビットコインコミュニティーは団結し、各自のアイコンを「我々は皆ホドルノートだ!(We are all Hodlonaut!)」に変更した。宇宙服を着た猫であり、ノルウェイの普通の中年男性であるホドルノート氏は、2019年最大のミームとなった。(Leigh Cuen)


当記事のイラストはスコットランドのエディンバラに拠点を置くアーティスト、トレバー・ジョーンズ(Trevor Jones)氏に依頼した。トレバー氏は2008年に大学を卒業するとすぐ、アートとテクノロジーのコラボレーションに夢中になった。彼はAR(拡張現実)を組み込んだ初のプロアーティストの1人。2017年以降、彼の仕事は仮想通貨に重点を置いたものとなっている。

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
原文:COINDESK MOST INFLUENTIAL 2019