東海東京F出資のデジタル証券企業、シンガポール金融庁が認可——国営ファンドも後ろ盾

シンガポール金融管理局(MAS)はトークン化証券の取引企業に対し、シンガポール国内での完全操業を認可した。

プラットフォーム運営企業ICHX Techの2月3日(現地時間)の発表によると、iSTOXはシンガポール中央銀行のフィンテック規制サンドボックス(セキュリティ機構)で及第となり、資本市場サービスプロバイダーとして認可された初のセキュリティ・トークン・プラットフォームの一つになる予定だ。

このプラットフォームは個人投資家と機関投資家の両方に対して、デジタル化された証券の発行、カストディ、取引サービスを提供する。同社のゴールの一つは、より多くの投資家に金融市場の特定部分を開放することだと最高戦略責任者ダリウス・リュウ氏は以前CoinDeskに語っていた

シリーズBのスタートアップ企業の株式や社債、ヘッジファンドといったプライベート・マーケットの機会は多くの投資家にとって通常不透明で断片化されている。この新しいプラットフォームにより、仲買人や長い決済時間が無くなるとリュウ氏は述べた。

同社によると、このプラットフォームで利用可能なセキュリティ・トークン・オファリング(STO)は既存のメカニズムに加えて、資金調達と投資のためにより多くのオプションを発行者に提供する。

ICHXが2019年5月にMASの規制サンドボックスに 入って以来、同社はアジアの重要な支援者から多くの投資を得ている。初期の投資家にはシンガポール証券取引所(SGX)やシンガポール国有複合企業テマセク・ホールディングス(Temasek Holdings)の子会社であるヘリコニア(Heliconia)などが名を連ねる。

その後、タイの投資銀行キアナキン・パタラ・フィナンシャル・グループ(Kiatnakin Phatra Financial Group)や、日本の東海東京フィナンシャル・ホールディングス、韓国の資産運用会社であるハンファ資産運用(Hanwha Asset Management)を含む3つの投資を受けた。

ICHXはまた、SGXの代表取締役副社長Chew Sutat氏、MASの元特別顧問Chua Kim Leng氏を含む、複数の元金融規制当局関係者を取締役会メンバーとして擁する。

同社は2019年11月に単一の統合プラットフォーム上で分散型台帳技術ベースの証券の初めての発行、カストディ、取引を完了させたと述べている。

翻訳:下和田 里咲
編集:T.Minamoto
写真:Image via Rastislav Sedlak SK / Shutterstock
原文:Singapore Clears Securities Token Platform iSTOX for Full Trading