仮想通貨を法定通貨に替えるビザカード——デジタル資産で支払いを可能に

デジタル資産でのモノやサービスの支払いを可能にするデビッドカードを、金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)に登録の仮想通貨取引所が始めた。

ユタ州に拠点を置くコインズーム(CoinZoom)は、新たに機関投資家と個人投資家のオンボーディングを開始すると発表し、仮想通貨を即座に米ドルに交換するビザ(Visa)カードを提供する予定だ。

FinCENに登録されたマネーサービス企業として、コインズームは大半のアメリカの州において、消費者保護や顧客確認(KYC)要件を含む、各州の規制に従わなければならない。同取引所はさらに、アメリカで送金事業者、オーストラリアではデジタル通貨取引所としてライセンスを受けている。

コインズームは、米ドルとのペアで、ビットコイン(BTC)やイーサ(ETH)をはじめとする主要仮想通貨の大半に対応しており、仮想通貨という資産クラスに対する法定通貨からのゲートウェイを提供する。同プラットフォームにはさらに、保有者に報酬を提供する、一部のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)コインに対するステーキング機能も存在する。

コインズームの創業者兼CEO、トッド・クロスランド(Todd Crosland)氏によれば、アップル(Apple)のiOS向けに取引アプリもすでに存在する同取引所は、送金ソリューションとしての利用も可能だ。

「コインズームは顧客にビザカードを提供するアメリカ初の仮想通貨取引所であるだけではなく、(中略)ズームミー(ZoomMe)と呼ぶ、無料のピアツーピア仮想通貨および法定通貨支払いシステムといった業界初の機能も提供する」とクロスランド氏は述べた。

同じくFinCENに登録されたマネーサービス企業である、アメリカに拠点を置く仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は昨年、独自のビザデビットカードを発行したが、こちらはイギリス、EU(欧州連合)在住のユーザーだけに向けられたものであった。コインベースは3月17日、コインべース・カード(Coinbase Card)を新たにバイル決済プロバイダー、グーグル・ペイ(Google Pay)と統合したと発表した。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Regulated Exchange Launches in US With Crypto-Backed Visa Card Offering