米グレイスケール、ビットコイン信託のETF変更は「確実に取り組む」

機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)投資ファンドを運営する米グレイスケール・インベストメンツは5日(米東部時間)、同社のビットコイン投資信託を上場投資信託(ETF)に変更する取り組みを確実に行っていくとコメントした。

暗号資産運用大手のグレイスケールはブログで、同社のファンド「グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)」をETFとして提供するための取り組みを確実に進めていくと投稿。

米証券取引委員会(SEC)は、これまで複数の企業によるビットコインETFの上場申請を退けてきた。現在、いくつかの申請がSECに提出されており、審査プロセスが始まったものもある。米国でビットコインETFが証券取引所に上場されれば、多くの投資家はビットコインの現物を保有することなく、ビットコイン市場に投資することが可能になる。

カナダではすでにビットコインETFの申請が承認され、トロント証券取引所に複数のETFが上場されている。

2016年に申請、その後に取り下げ

ブログによると、グレイスケールは2016年にビットコインETFの申請書類をSECに提出し、翌年にSECとの協議を行ってきた。しかし、同社はその後、デジタル資産に対しての規制環境が整備されていないと判断し、同申請を取り下げた。

グレイスケールが運用するビットコイン投資信託のGBTCはここ1カ月、ビットコインの現物価格を下回る水準で取引されている。YChartsのデータによると、GBTCの取引価格は昨年12月、現物を35%上回る価格で取引されていた。

市場では、ビットコインの投資ファンド間の競争の激化が、GBTCの取引価格を押し下げているとの見方が聞かれる。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:ニューヨークの金融街(Shutterstock)
|原文:Grayscale Says It’s ‘100% Committed to Converting GBTC Into an ETF’