共和党大物議員、暗号資産規制は逆効果と主張──イエレン氏に書簡

共和党大物議員、暗号資産規制は逆効果と主張──イエレン氏に書簡

暗号資産をめぐり提案されている規制は、逆効果になるかもしれない──共和党の大物議員が10日、米上院銀行委員会で警告した。

金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)が提案している、カウンターパーティー(取引相手)に関する規則は、暗号資産関連企業に重い負担となる一方で、違法行為の対策とはならないかもしれないと、共和党のパット・トゥーミー上院議員(ペンシルベニア州)は、イエレン財務長官に宛てた書簡で主張した。

トゥーミー議員はさらに、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FATF)のガイダンス草案を「心配なもの」と形容した。

重すぎる負担

「暗号資産は、消費者のプライバシー、金融サービスへのアクセス、自分で決断を下す力を劇的に向上させる可能性がある」とトゥーミー議員。「暗号資産は、インターネットと同じくらい革命的なものになるかもしれないと言う人たちもいるくらいだ」

この書簡が送られた前日には、民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州)が、環境面や消費者保護の面で問題を抱える上に、犯罪のツールになる可能性があるとして、ビットコイン(BTC)を批判した。

問題となっているFinCENの規則は、イエレン財務長官の前任、ムニューシン全財務長官が、トランプ大統領の任期の終わり頃に提案したものだ。その規定によれば、あらゆる暗号資産関連の取引所や金融機関は、3000ドルを超える取引に関わる人物の名前、住所の情報を保管し、1万ドルを超える取引では報告書を提出することが義務付けられることになる。

この規則に反対する人たちは、資金を保管する多くのスマートコントラクトは、名前や住所の提供を義務付けていないため、分散型金融(DeFi)が影響を受けると主張する。

DeFiは別にしても、一般的な顧客確認(KYC)要件の範囲を超えた過剰な記録を維持することそのものが、小規模な取引所にとっては負担になる可能性がある。トランプ大統領が任期を終える直前、そしてバイデン大統領が就任した後にも、一般からの意見を募るパブリックコメント期間が延長されたが、この提案はいまだに保留となっている。

「FinCENとFATFによる提案が、違法行為にまつわる暗号資産の悪用に対処しようとしていることは認識している。しかし、もし適用されれば、フィンテック、アメリカ国民の基本的プライバシー、そして違法行為に対処するための取り組みに有害な影響をもたらす」とトゥーミー議員は警告。「大幅な改定をするよう求める」と続けた。

さらに、これらの規則が施行されれば、犯罪者たちは、規制を受けた金融セクターの外で活動する方が簡単だと感じるかもしれない、とトゥーミー議員は主張した。

DeFiに対して報告義務を課すことになるFATFが提案するガイダンスも同様だ。米ドルには適用されない「面倒な記録管理要件」を設定することで、暗号資産セクターに打撃を与える可能性があると、トゥーミー議員は懸念を表明した。

より効率的な規制を目指して

さらにトゥーミー議員は、ドルに対する通貨報告義務を新しくすることをFinCENが検討するよう提案した。ドル取引をめぐる報告要件は40年前に設定されたもので、当時の基準に基づいている。

資産の追跡や、不審な活動の分析は、現在より効果的に行えるはずだと、トゥーミー議員は主張したが、その中には暗号資産も含まれていた。トゥーミー議員は、FBIが先日、ランサムウェア攻撃でコロニアル・パイプラインが支払った暗号資産の多くを取り戻すことに成功したことを指摘。

「暗号資産に厄介な規制要件を課そうとする代わりに、FinCENは利害関係者や分析企業と協力して、暗号資産にまつわる違法行為を特定するために今存在している、あるいは登場してきている機能を理解するべきだ」と、トゥーミー議員は提案した。

CoinDeskはFinCEN・広報担当者に取材を試みたが、コメントは得られていない。

|翻訳・編集:山口晶子、佐藤茂
|画像:パット・トゥーミー上院議員(Shutterstock)
|原文:Republican Senator Asks FinCEN to Reconsider Controversial Crypto Rule

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