ハッシュパレット、Play-to-Earn型ゲームトークンを上場へ──bitFlyerでIEOを計画

NFTに特化した独自ブロックチェーンから、NFTの取引プラットフォームやPlay-to-Earn型のゲームまでを総合的に開発するハッシュパレット(HashPalette)が、トークン(暗号資産)を暗号資産取引所に上場して資金を調達するIEOをbitFlyerで実施する。

ハッシュパレットは9月1日、同社が開発するPlay-to-Earn型(プレイしてトークンを稼ぐ)ゲーム「ELF Masters」内で機能するガバナンストークン「ELF」をbitFlyerに上場する計画を明らかにした。ELFの上場時期は2023年上半期を想定している。

ELF Mastersは、ユーザーがNFTなどのトークンを取得・活用しながら楽しめるPlay-to-Earnゲームで、すでにベータ版がリリースされている。ハッシュパレットは調達する資金をゲーム開発に充て、世界中の多くのプレイヤーが楽しむことができるゲームに仕上げていくと説明。

IEO(Initial Exchange Offering):未公開企業が株式を証券取引所に上場させて資金を調達するIPO(新規株式公開)に対して、IEOでは企業やプロジェクトが独自の暗号資産(仮想通貨)を売り出して資金を調達する。

世界で激化するPlay-to-Earn型ゲーム開発競争

ブロックチェーンゲームを巡っては、NFT化されたデジタルスニーカーを利用して、実際に歩いたり、走ったりすることでトークンを取得できるゲームの「STEPN」や、東南アジアでユーザーを広げた「Axie Infinity」などが、過去2年で暗号資産コミュニティを中心に人気を集めてきた。

一方、オンラインゲームの開発を専門とする米国のミシカルゲームズ(Mythical Games)などは、100億円を超える資金を短期間で調達し、NFTを取得しながらプレイできる本格的なゲームの開発を進めている。

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ハッシュパレットCEO(最高経営責任者)の吉田世博氏は、1日の会見で、「NFT×コンテンツ(ゲーム)の領域は、一番多くの資本が投下されている領域。(ゲームなどの)コンテンツ開発ではグローバル競争が進んでいる」とした上で、「(ハッシュパレットの)ゲームクリエイティブや開発基盤はすでに複数の国にまたがっている。IP(知的財産)のオリジンを日本に置き、世界の技術力とデザイン力を使って、世界に通用するゲームを展開していきたい」と述べた。

今回発表した資金調達が実現すれば、ハッシュパレットにとっては2つ目のIEOとなる。同社は昨年7月、独自に開発したNFTプラットフォームの「パレット(Palette)」を通じてIEOを取引所のコインチェックで実施し、約10億円の資金を調達した。

吉田氏は、ELFの上場計画の詳細は今後、bitFlyerと共に協議していくとしながらも、「目標としてはパレットの規模を超えるものにしていきたい」とコメントした。

bitFlyerは現在、IEO事業の強化を進めている。8月には、SNS「Yay!」の開発を進めるナナメウエ社がIEOの計画を発表。bitFlyerが引受取引所としてナナメウエのIEOの支援を行う。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:9月1日のオンライン記者会見/吉田世博氏(写真中央)

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