イーサリアムはマージまで下落の可能性、金融庁がWeb3.0やメタバースの行政方針【8/27~9/2のトップニュース】

イーサリアム、大手クラウドから排除されるリスク──ノードの約10%が稼働

ドイツのクラウドサービス企業Hetznerは8月23日、利用規約によって、暗号資産マイニング、そしてステーキングも禁止されていると米人気掲示板のレディット(Reddit)で述べた。

イーサリアムがHetznerから排除された場合、分散型と呼ばれるブロックチェーンは、実際にどのくらい分散化されているかという疑問が生じる。ethernodes.orgによると、イーサリアムのノード(ネットワークで取引を処理するコンピュータ)の60%以上がクラウドサービスを使っている。そのうち、約16%はHetznerが占め、約53%のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)に次いでいる。

ビットコイン、2万600ドル台──パウエルFRB議長のタカ派発言で下落

ビットコイン(BTC)は26日午前中、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されたFRB(米連邦準備理事会)の経済会議において、ジェローム・パウエルFRB議長が基調講演を行った後の2時間で約5%下落した。株式市場も同様に下落し、S&P500は2%以上下落した。

イーサリアム、Merge完了まで下落が続く可能性:バンカメ──1500ドル割れの展開

イーサリアム(ETH)は7月中旬〜8月中旬にかけて上昇したが、この先、投資家のMerge(マージ)に対する理解が進むと下落し続けるかもしれないと、バンク・オブ・アメリカは8月26日に述べた。

マージは、イーサリアムの短期的な価格上昇を促進した可能性が高いものの、マクロ経済センチメントの弱さとビットコイン(BTC)のテクニカル指標が下落傾向となっていることを考慮すると、長期的見通しは依然として弱いという。

マージ、DeFiとステーブルコインに悪影響の可能性:レポート

イーサリアムブロックチェーンのMerge(マージ)は、DeFi(分散型金融)プロトコルに大きな影響を与える可能性がある。DappRadarが8月26日に発表したレポートに記した。

レポートは、マージの際に発生するかもしれない遅延に焦点を当てている。マージは取引時間を遅らせたり、レンディングサービスを中断させるなど、DeFiにとって問題となるかもしれず、ステーブルコインの価値を下落させ、DeFiレンディングプールを減少される可能性があるという。

イーサリアムとビットコイン、建玉レバレッジ比率が過去最高水準に──ボラティリティリスク高まる

Decentral Park Capitalとブロックチェーン分析企業グラスノード(Glassnode)のデータによると、イーサリアムとビットコインの永久先物の建玉レバレッジ比率は当記事執筆時点、それぞれ0.03、0.02を超える過去最高水準に達している。

「比率の上昇は、建玉が市場規模を上回っていることを示し、将来の(ロング/ショート)スクイーズによるボラティリティリスクを高めることになる」とDecentralのリサーチャー、ルイス・ハーランド(Lewis Harland)氏は述べた。

eth.linkが期限切れ──管理者が刑務所にいるため更新できず

ENS DAOのメンバーが、eth.linkにアクセスしても、今表示されるのは、上部にある緑色のドメイン期限切れを知らせるバナーと広告だけだ。

こんな事態になったのは、ドメイン更新作業ができる唯一の人物、バージル・グリフィス(Virgil Griffith)氏が、北朝鮮に暗号資産を使って制裁を回避する方法を教えたとして5年3カ月の実刑判決を受けて刑務所にいるため。ドメインレジストラのGoDaddyが8月26日に公開した通知によると、「eth.link」は7月26日に期限切れとなり、9月5日には誰でも取得できるようになる。

NFTのロイヤリティ支払いは強制できるのか──任意制にしたマーケットプレイスにクリエーターが反発

NFTのロイヤリティ(2次流通での手数料)の支払いは、マーケットプレイスでしか強制力を持たず、オンチェーン取引では強制力はない。

オープンシー(OpenSea)のようなマーケットプレイスでは、売り手は売買ごとに所定の手数料(ほとんどの場合、購入価格の5〜10%)をプログラムで設定できる。仮にマーケットプレイスが手数料を完全にゼロにしたいと思えば、それを妨げるものは何もない。

まさにそれを実現したのが、人気NFTマーケットプレイス「X2Y2」だ。X2Y2は8月26日、ロイヤリティをすべて任意とし、チップ制のようなものにすると発表した。

「明らかにナンセンス」アバラボCEOは疑惑を否定──アバランチは一時11%下落

レイヤー1ブロックチェーンのアバランチ(Avalanche)の開発元であるAva Labs(アバラボ)のエミン・グン・シラー(Emin Gün Sirer)CEOは、同社が集団訴訟を使ってライバルを陥れていたとする批判を「断じて誤り」と否定した。

「こうした訴えは、我々が初期に依頼していた法律事務所の弁護士であるカイル・ロッシュ(Kyle Roche)氏が、アバラボとの仕事について虚偽の主張をすることでによって、潜在的ビジネスパートナーに印象を与えようとしたものだ」とグン・シラー氏は8月29日、声明で述べた。

FTXのサム・バンクマン-フリード氏、フォビ買収を否定

暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)CEOは8月29日朝、フォビ(Huobi)を買収する計画はないとツイートした。フォビはCoinGeckoによると、1日あたりの取引高が10億ドルを超える世界最大級の暗号資産取引所。

シンガポール政府系投資会社、アニモカブランズに出資:報道

世界最大級の資産規模を持つシンガポール政府系投資会社テマセク(Temasek)は、NFTとメタバースに積極的に投資している香港のアニモカブランズ(Animoca Brands)の1億ドル(約140億円)の資金調達に参加した。ブルームバーグが8月29日に伝えた。

FBI、DeFiプラットフォームにセキュリティ強化を要請──投資家には脆弱性を警告

FBI(米連邦捜査局)は8月29日、DeFi(分散型金融)プラットフォームにセキュリティ対策の強化を求め、投資家にはその脆弱性を警告した。

2022年1月〜3月、サイバー犯罪者は13億ドルの暗号資産を盗み出し、その約97%はDeFiプラットフォームからだったとFBIはブロックチェーン分析企業チェイナリシス(Chainalysis)のレポートを引用して述べた。

暗い見通しのビットコイン、歴史的な購入チャンスか

FRB(米連邦準備制度理事会)の取り組みによって、リスク資産価格は引き下げの動きが強まってさえいるが、暗号資産のトップアナリストは、ビットコイン(BTC)上昇に逆張りするには今が良い時期かもしれないと述べている。

「いくつかのシグナルは、下落が短期的に行き過ぎていることを示している。短期的な逆張りにとって魅力的」とアーケーン・リサーチ(Arcane Reaserch)のアナリスト、ベトル・ルンダ(Vetle Lunde)氏は8月30日、レポートに記した。

釜山市、グローバル・ハブを目指してFTXと合意──先週はバイナンスと合意

韓国・釜山市は8月30日、ブロックチェーンビジネスの発展および暗号資産取引所設立支援に向けて、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXと合意したと発表した。

この動きは、ブロックチェーンと金融のグローバル・ハブを目指す同市の広範な計画に沿ったもの。釜山市とFTXは、ブロックチェーンに特化したさまざまなビジネスを開発・促進し、釜山デジタルアセット取引所の設立に向けて連携していく。

米ナスダックのクラウドサービスを使ったブラジルの暗号資産取引所──「Trade to Earn」は新機軸となるか

ブラジルの暗号資産(仮想通貨)取引所Digitra.comは、米ナスダック(Nasdaq)のクラウドベースの暗号資産取引サービスを使った暗号資産取引所を立ち上げた。同社が30日、リリースで発表した。

ナスダックのMarketplace Services Platform(マーケットプレイス・サービス・プラットフォーム)は、暗号資産取引所をサポートするクラウドベースのプラットフォーム。取引所が流動性を集め、市場の状況に応じて取引高を拡大することを可能にする。また、取引所は顧客向けの新機能を開発できる。

ビットコインのマイニング難易度、夏が終わり1月以来の上昇率か

ビットコイン(BTC)のマイニング難易度は、北米のマイナーが秋を前に稼働を高めるため、8月31日に約9%上昇すると予想されている。

この数字は、当時マイニングの44%を占めていた中国でマイニングが禁止された後、マイナーが再度活動を開始し始めた2021年8月以来、最大の上昇幅となる見込み。

ミシカル・ゲームズ、イーサリアムと互換性のあるチェーンを開発:CEO

ブロックチェーンを活用した本格的なオンラインゲームを手がける米ミシカル・ゲームズ(Mythical Games)が、イーサリアムブロックチェーンと互換性を持つ独自チェーンの試験運用を進めている。同社CEO(最高経営責任者)のジョン・リンデン(John Linden)氏が明らかにした。

CoinDesk TVに出演したリンデン氏は8月31日、「現在、テストネットで完全にEVMと互換性のあるチェーンを開発している」と発言した。

ビットコイン支持派の米マイクロストラテジー創業者、脱税で訴えられる

米ワシントン・コロンビア特別区は、ビットコイン(BTC)への積極的な投資で知られるソフトウェア企業マイクロストラテジー(MicroStrategy)の創業者で執行会長のマイケル・セイラー氏を提訴した。同区のカール・A・ラシーン(Karl A. Racine)司法長官が8月31日、ツイートで明らかにした。セイラー氏が10年以上同区に住んでいながら、所得税を一度も納めていないことが提訴の理由という。

またマイクロストラテジーも、セイラー氏が「ワシントンに住んでいる間に手にした数億ドルに対して支払うべき税金を回避する目的で共謀した」として提訴された。

「ビル・マーレイ氏とビールを飲む」 NFT、18万5000ドルで落札

大物俳優のビル・マーレイ氏とビールを飲むためのNFTが8月31日、チャリティーオークションに出品され、119.2イーサリアム(ETH)、約18万5000ドル(約2570万円)で落札された。

落札されたNFTは、米コインベース(Coinbase)のNFTマーケットプレイスで発行されている「Bill Murray 1000」コレクションのうちの1点。1000点のNFTのうち、これまでに82点が発売された。同マーケットプレイスで購入できる最も安価なものは11ETH、約1万7000ドル。

クレディ・スイス、顧客の暗号資産3200万ドルを保有──伝統的金融機関、暗号資産カストディに近づく

クレディ・スイス(Credit Suisse)は規制当局への提出書類によると、第2四半期末時点、数千万ドルの顧客の「デジタル資産」を保有していた。伝統的金融機関が暗号資産カストディ(保管・管理)事業者に近づいている事実が明らかになった。

金融行政方針:Web3進めるために日本が対処すべき暗号資産の課題

金融庁が2022年度の金融行政方針をまとめた。世界中でWeb3.0やメタバースの開発が急ピッチで進む中、日本がこの潮流から取り残されないために対処すべき暗号資産(仮想通貨)とステーブルコイン、NFTなどに関連する課題を明らかにした。

金融庁は8月31日、30ページで構成される金融行政方針を公開。それに付随する作業計画も発表した。その方針の中で、Web3の推進に向けたデジタルマネーや暗号資産に関係する取り組みを明記した。

サンリオ、キャラクターのコミュニティサービスを世界展開──Gaudiyと共同で2023年に開始

サンリオは、ブロックチェーンを活用してエンターテインメントのデジタル化を支援するGaudiy(ガウディ)と共同で、同社が保有するキャラクターを軸にしたコミュニティサービスの世界展開を2023年に始める。

Gaudiyは8月31日、サンリオとの共同プロジェクトを発表。サンリオが保有するキャラクターを軸にしたコミュニティサービスを世界で展開するとしているが、サービスの詳細は明らかにしていない。

ハッシュパレット、Play-to-Earn型ゲームトークンを上場へ──bitFlyerでIEOを計画

NFTに特化した独自ブロックチェーンから、NFTの取引プラットフォームやPlay-to-Earn型のゲームまでを総合的に開発するハッシュパレット(HashPalette)が、トークン(暗号資産)を暗号資産取引所に上場して資金を調達するIEOをbitFlyerで実施する。

ハッシュパレットは9月1日、同社が開発するPlay-to-Earn型(プレイしてトークンを稼ぐ)ゲーム「ELF Masters」内で機能するガバナンストークン「ELF」をbitFlyerに上場する計画を明らかにした。ELFの上場時期は2023年上半期を想定している。

チリーズ、アトム、イオスが弱気相場の8月に上昇【CoinDesk20】

8月、ビットコイン(BTC)は約13%、イーサリアム(ETH)は約20%下落した。しかし、すべての暗号資産が下落したわけではない。個別のポジティブなニュースによって上昇した暗号資産もあり、弱気相場での上昇は、進化し、投資家を引きつけている個々のプロジェクトの独立性を浮き彫りにした。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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