ビットコインマイニングが遅延、リブラの流れを汲むAptosが稼働【10/15~10/21のトップニュース】

Aptos Labsは自社のネットワークについて「稼働中」と述べたが、エコシステムは完成にはほど遠く、DeFi(分散型金融)に不可欠なさまざまな要素はまだできあがっていない──今週のトップニュースをダイジェストで振り返ります。

弱気相場はWeb3開発の好機、データも証明

現在の弱気市場は新サービス・新プロダクト開発の好機という見方がある。Web3開発者プラットフォームAlchemy(アルケミー)の調査は、すでにそれが進んでいるかもしれないことを示している。

イーサリアム(ETH)価格は年初から約60%下落したにもかかわらず、イーサリアムブロックチェーン上で利用できるスマートコントラクトは第1四半期(1-3月期)末から40%以上増加した。

リップル、イーサリアム互換サイドチェーンのテスト開始

リップル(Ripple)は、イーサリアムブロックチェーン向けに作られたスマートコントラクトをわずかな労力で同社のXRP Ledger(エックスアールピーレッジャー:XRPL)ブロックチェーンに展開する方法をテストしている。

リップルは10月15日、EVM互換サイドチェーン(メインのXRPLブロックチェーンと並行して稼働するブロックチェーン)をdevnetで稼働させたと述べた。

NFT市場のMagic Eden、業界トレンドに逆らえず──ロイヤリティ支払いをオプション制に

ソラナ(Solana)ブロックチェーンの人気NFTマーケットプレイス「Magic Eden」が、ロイヤリティ(クリエーターに支払われる2次流通の手数料)をオプション制にすると10月15日に発表した。

この動きは、X2Y2などの人気NFTマーケットプレイスが多くのユーザーを獲得するためにロイヤリティ支払いをオプション制にしたことを受けたもの。NFTクリエーターからは不満の声があがり、議論を呼んでいる。

ビットコイン、マイニングが1時間以上の遅延

10月17日、ビットコイン(BTC)ブロックのマイニングに1時間以上かかり、数千ものトランザクションが確認待ちとなった。

複数のブロック情報サイトによると、Foundry USAとLuxorがマイニングした2つのブロックの間隔は85分だった。Mempoolによると、1万3000以上のトランザクションが確認待ちとなった。

リブラの流れを汲むAptos、ブロックチェーン稼働

メタ(旧フェイスブック)が断念したグローバルステーブルコインプロジェクト、リブラ(後にディエムに名称変更)の流れを汲むAptos Labsが10月17日、メインネットをスタートさせた。

数十億ドルの評価額が試されることになる。同社は、リブラに携わっていた元メタ社員らが設立した。

Decentraland、第2回「Metaverse Music Festival」開催──オジー・オズボーン、ディロン・フランシス、ソウルジャ・ボーイなどが出演

メタバースのDecentraland(ディセントラランド)は11月、第2回「Metaverse Music Festival」を開催する。同社が10月17日に発表した。

イベントは暗号資産(仮想通貨)取引所Kraken(クラーケン)が提供、チケットやVRヘッドセットは不要。15のステージに、さまざまなジャンルから100組以上のアーティストが参加する。

マスターカード、金融機関の暗号資産取引サービス提供を支援

マスダーカードは暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームのPaxosと提携し、金融機関の暗号資産取引サービス提供を支援する「Crypto Source」プログラムを開始する。同社が10月17日に発表した。

バイナンス、クラウドマイニングに参入

暗号資産(仮想通貨)取引所Binance(バイナンス)は11月にクラウドマイニングサービスの提供を開始する。

Binance Poolは先週、ビットコインマイナー向けの5億ドルの融資ファンドを発表、クラウドマイニングに参入すると発表した。サービスの正式な立ち上げは11月になると、バイナンスの広報担当者は17日、メールでCoinDeskに語った。

意図せぬ偶然でDeFiトークンが急騰──ティッカー「APT」が重複

2021年にスタートした暗号資産レンディング「Apricot Finance(アプリコット・ファイナンス)」の暗号資産(仮想通貨)が、技術的なアップデートがあったわけでも、SNSで話題になったわけでもないのに18日に急騰した。

原因は意図せぬ偶然だった。24時間で70%上昇したアプリコット・ファイナンスの暗号資産と、旧リブラの流れを組み、17日にメインネットの稼働を発表したAptos(アプトス)の暗号資産はティッカー(アルファベットコード)が同じ「APT」だった。

航空券の購入が可能に──南米の取引所Lemon

南米の暗号資産(仮想通貨)取引所Lemonは、トークン化された旅行商品のマーケットプレイスTravelXと統合、ユーザーは航空券を購入できるようになったと同社が10月18日に発表した。

TravelXは9月下旬にスタート、アルゼンチンの格安航空会社Flybondiの航空券を「NFTickets」と名付けられたNFTトークンとして提供している。

ビットコインは手詰まり──「ドルロング」が最も人気の取引:バンカメ調査

ビットコインは、季節的に強い10月は回復して上昇すると思われていた。だが現状、プロ投資家は米ドルに資金を移しているため、上昇は見られないままだ。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)が18日発表したグローバル・ファンドマネージャー調査によると、10月は「ドルロング」(米ドルに強気の投資を行う)が最も好まれ、回答者の64%が最も人気の取引と回答している。

ThirdverseとKLab、NFTゲーム「キャプテン翼 -RIVALS」を年内にリリース

國光宏尚氏が率いるThirdverseと、モバイルオンラインゲームの開発を手がけるKLabが、ブロックチェーン基盤でサッカー漫画「キャプテン翼」のIPを活用したゲームを年内にスタートさせる。

Thirdverseは10月18日、同社のシンガポール子会社、SWORD PTEはKLabの子会社であるBLOCKSMITH&Co.と共同で、ゲーム「キャプテン翼 -RIVALS-」のリリースを2022年内に行う計画を発表した。

ブラジルのデジタル銀行Nubank、7000万ユーザーに向け「Nucoin」発行へ

世界最大のデジタル銀行といわれるブラジルの「Nubank」は来年、ブラジル、コロンビア、メキシコで独自トークン「Nucoin」を発行する。10月19日に同行が発表した。

Nucoinは、Polygon(ポリゴン)上に構築され、2023年上半期に同行7000万ユーザーに提供されるという。

ビットコイン先物に弱気シグナル──「バックワーデーション」が続く

暗号資産プラットフォームLunoのウィークリーレポートによると、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場されているビットコイン(BTC)先物は9月に長期的なバックワーデションに陥り、理論的には弱気シグナルとなった。

バックワーデションは、数カ月先に満期となる先物(期先物)が、満期日が最も近い先物(期近物)よりも低い価格で取引される、先物市場の異常な状態をいう。バックワーデーションはときに、中・長期的な価格下落の可能性を示す。

フィデリティ、機関投資家にイーサリアム取引を提供

Fidelity Digital Assets(フィデリティ・デジタル・アセッツ)の機関投資家顧客は10月28日からイーサリアム(ETH)を取引できるようになる。

同社の親会社Fidelity Investments(フィデリティ・インベストメンツ)は、機関投資家の暗号資産(仮想通貨)投資を推進している。今月初め、フィデリティは認定投資家向けに新たにEthereum Index Fund(イーサリアム・インデックス・ファンド)の提供を開始したと発表。9月26日の販売開始以来、約500万ドルを集めている。最低投資額は5万ドル。

Redditユーザー、250万超のウォレット開設──7月にマーケットプレイスがオープン

米人気掲示板サービスのRedditが7月にNFTマーケットプレイスをオープンして以来、ユーザーはプラットフォーム上で250万以上のウォレットを開設した。

Redditは、デイリーアクティブユーザーが5000万人、昨年は3億5000万ドル以上の収益をあげたと発表しており、Web3への進出はさらなる収益をもたらす可能性がある。

米コインベース、USDコインの手数料を無料に──グローバルな普及を促進

米暗号資産取引大手Coinbase(コインベース)は、同社が手がけるステーブルコイン、USDコイン(USDC)のグローバルな普及を促進するために、USDコインの手数料を無料にする。同社が20日発表、即座に実施した。

「ユーザーは通常、現地通貨をUSDコインに替える際に手数料を支払わなければならず、広く国際的な普及のハードルとなっていた」「これを是正し、国際的にUSDコインの普及を加速させる」と同社はブログに記した。

暗号資産の普及減速、それでも2021年1Q以前を上回る:チェイナリシス

暗号資産(仮想通貨)の普及は今年、弱気相場のスタート以降、大幅に減速したが、それでも2021年第1四半期以前のレベルを上回っている。ブロックチェーン分析企業Chainalysis(チェイナリシス)の調査で判明した。

同社のグローバルインデックススコアによると、2021年第2四半期と第4四半期の高水準と比べると、2022年第1四半期・第2四半期に暗号資産の普及ペースは減速した。だが、2021年第1四半期まで、つまり強気相場の前の水準を上回っている。

48時間でウェイティングリストに3万人、ジャック・ドーシー氏の分散型SNS

ツイッター創業者のジャック・ドーシー氏が進める分散型ソーシャルネットワーク「Bluesky」は、過去48時間でウェイティングリストに3万人を集めた。

同社は10月18日にウェイティングリストを公開。「圧倒的な関心」が寄せられたために「段階的にプライベートベータへの招待を開始する」と20日(日本時間21日)ツイートした。

「10億分の1」の単位導入で少額決済強化──元リブラ開発者が手がけるSuiブロックチェーン

元Libra(Diem)の流れを組むブロックチェーン「Sui」は、効率的なマイクロペイメント(少額決済)を実現するためにネイティブ暗号資産スイ(SUI)にMist(ミスト)を導入した。同社が20日(日本時間21日)ツイートした。

1SUIは10億MISTにあたり、数ドルの送金を安価なガス代(手数料)で実現するという。

BTCは売り手も買い手も不在か──レンジ相場はいつまで続く?【bitbankレポート】

ビットコイン(BTC)は8月の米消費者物価指数(CPI)上振れによるサプライズで2万ドルを割って以降、本稿執筆時点まで概ね1.8万ドル〜20.5万ドルの狭いレンジでの推移が続いている。

BTC相場は、2015年には底値形成に10カ月ほどの月日を要したこともあり、現在の利上げペースやFOMCの経済見通しから鑑みるに、来年の春頃までレンジ相場が続くことも想定される。

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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