「マルチステークホルダー・ガバナンス」は仮想通貨に健全なエコシステムをもたらすのか【b. tokyo】

持続可能な発展を支える新しい統治のモデル「マルチステークホルダー・ガバナンス」。内閣府は“マルチステークホルダー・プロセス”を、「多種多様なステークホルダーが対等な立場で参加し、協働して課題解決にあたる合意形成の枠組み」と位置づけている

2019年6月に福岡で開催されたG20(財務大臣・中央銀行総裁会議)でも、「マルチステークホルダーのガバナンス」についてディスカッションが行われている。本セッションも同じ趣旨であらためて現在地を確認し、新たに健全なエコシステムを構築するためにはどのような課題があるか、仮想通貨・暗号資産のあるべきエコシステムとは何かを考える。

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Shin’ichiro Matsuo氏(Ph.D. , Research Professor at Georgetown University)

Shin’ichiro Matsuo氏(Ph.D. , Research Professor at Georgetown University)

G20で金融当局や開発者が参加するディスカッションに、アカデミアの代表として参加したのが松尾真一郎・ジョージタウン大学研究教授だ。暗号と情報セキュリティの研究者で、アカデミアの立場からブロックチェーン技術を成熟させる活動を行い、ブロックチェーンセキュリティの研究成果を発表している。ブロックチェーンの中立な学術研究国際ネットワークBSafe.networkプロジェクト共同設立者でもあり、ブロックチェーンに関わる数多くの国際会議のプログラム委員を務めている。電子政府推奨暗号を定める暗号技術検討会構成員も歴任。

高梨佑太氏(金融庁 総合政策局課長補佐)

高梨 佑太氏(金融庁 総合政策局課長補佐)

金融庁国際室で金融技術革新などに関する国際交渉に従事する高梨氏。特に、分散金融技術やグローバルなステーブルコインなどの議論を担当している。2017年から1年間、米シリコンバレーにてブロックチェーン技術開発状況や関連スタートアップなどに関する調査活動に従事した後、2018年から1年間はジョージタウン大学のBlockchain Technology and Ecosystem Design Research Centerにて、シニアフェローとして分散金融システムに対する規制やガバナンスに関する研究活動を主導した。CoinDesk Japanでレポートしている通り。「分散型金融」にも詳しい。

北澤直氏(Coinbase 日本法人 代表取締役)

北澤 直氏(Coinbase 日本法人 代表取締役)

お金のデザインの立ち上げにCOOとして参画、ロボアドバイザー「THEO」のローンチとビジネス拡大に携わった北澤氏は、2018年に米国最大手の仮想通貨取引所Coinbaseに参画。現在は日本代表として、日本市場の立ち上げに従事している。著書に『誰がFinTechを制するのか』(単著、KADOKAWA)、『ロボアドバイザーの資産運用革命』(共著、きんざい)などがある。弁護士(日本法(第一東京弁護士会)NY州法)。一般社団法人Fintech協会理事。お金のデザイン参画以前は、弁護士として6年間、日本とNYにて金融・不動産関連の法律業務を手がけたほか、モルガン・スタンレー証券で不動産部門の成長に貢献した。

ダニー・ライアン氏(イーサリアム財団リサーチャー)

ダニー・ライアン氏(イーサリアム財団リサーチャー)

イーサリアム財団(Ethereum Foundation)リサーチャー。CoinDeskでも2020年1月3日のローンチを検討していると紹介したEthereum 2.0プロトコルのアップグレードをリード、同研究、仕様書作成、クライアント開発、調整に携わっている。Ethereum 2.0は、スケーラビリティなどイーサリアムのブロックチェーンが持つ問題の解決を目指した大規模イテレーションのことで、PoS(プルーフオブステイク)アルゴリズムであるキャスパーや、スケーラビリティの問題に対するソリューションであるシャーディングなどを含む。

モデレーター:マイケル・ケーシー氏(MITメディアラボ デジタルカレンシー・イニシアティブ上級アドバイザー)

マイケル・ケーシー氏(MITメディアラボ デジタルカレンシー・イニシアティブ上級アドバイザー)

MITメディアラボのデジタルカレンシー・イニシアティブ(Digital Currency Initiative:DCI)の上級アドバイザーで、CoinDeskアドバイザリーボード議長を務めるケーシー氏は、ジャーナリストであり、企業経営者、研究者でもある。ブロックチェーンおよびデジタル資産テクノロジーの課題と機会について、さまざまな規模の企業をコンサルティングし、助言を行なっており、その活動は公式サイトに詳しい。1997年から2015年までDow Jones Newswires、The Wall Street Journalに在籍し、シニアコラムニスト、マネージングエディター、支局長、リポーターなどを歴任。オンライン動画サービス 「WSJライブ」 ではアンカーを務める。共著に『暗号通貨時代:ビットコインとデジタルマネーは世界経済の秩序にどのように挑戦しているか』『トゥルース・マシン:ブロックチェーンと未来のすべて』などがある。StreamBed MediaCEO、MIT Sloan School of Management(ビジネススクール)上級講師。CoinDeskへの寄稿も多数。

「インターネットは最も成功した事例の一つ」

暗号資産・仮想通貨を支える技術であるブロックチェーンは、よくインターネットと比べて論じられる。本セッションにも登壇する松尾氏はインターネットについて、CoinDeskへの寄稿で「マルチステークホルダー・ガバナンスの最も成功した事例の一つである」と述べている。

松尾氏の解説によれば、政府という存在は一般に、すべてをコントロールする権利を維持しようとする。だがインターネットは、国とは無関係の、コミュニケーションの「グローバル」空間を作り出す。なお、ここでいう「グローバル」は「(国家間のという意味の)インターナショナル」とは異なる。だからこそインターネットは、政府がすべてを管理しようとする、従来型の秩序に対する最初の挑戦だったというのだ。

ひるがえって「ブロックチェーン」は基本的に特定の管理者の存在を許さず、複数の参加者によるトランザクション・データの共同保存によってガバナンスを実現しようとしている。

上述したように、「マルチステークホルダーのガバナンス」については2019年6月のG20でもディスカッションされたが、ブロックチェーン、暗号資産における本テーマの重要性は、以前にも増して認識されつつある。というのも、Facebookがデジタル通貨「Libra(リブラ)」の構想を発表するなど、ブロックチェーンで管理される新しい資産が誕生しつつあるし、ブロックチェーンそのものについても、新しい技術やサービスが生まれているからだ。

暗号資産のあるべきエコシステムを考えるときに、果たしてマルチステークホルダー・ガバナンスは有効なのか。持続可能な発展を支える新しいガバナンスのモデルのあり方、暗号資産のあるべきエコシステムについて考える。

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【日時】2019年10月2日(水)・3日(木) 9:30〜18:45 (予定)

【場所】ホテル雅叙園東京

【URL】https://navenue.jp/btokyo2019/

【参加対象】ベンチャー企業/スタートアップ関係者、VC/CVC関係者、金融/IT/メディア/自動車/エンターテイメント/ゲーム/教育/アート/不動産/エネルギー企業関係者、経営企画/研究開発部門担当者、自治体産業推進担当者、一般投資家など

【メディアパートナー】CoinDesk Japan、WIRED Japan、日本経済新聞

【コミュニティパートナー】一般社団法人ブロックチェーン推進協会(BCCC)、一般社団法人日本ブロックチェーン協会(JBA)、一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)、一般社団法人日本セキュリティトークン協会(JSTA)、ブロックチェーンハブ、CryptoBowl、FINOLAB、HashHub、Neutrino

【動員数】3000人(見込み・2日間合計)

【参加申込】上記WEBサイトからチケットを購入

文・編集:CoinDesk Japan
写真:N.Avenue