SOL、AVAXが暗号資産の回復をリード──BTCは4万6000ドルを試す展開か
  • アルトコインはビットコインとイーサリアムを上回っており、投資家の関心が最大の暗号資産以外にも広がっていることを示している。
  • アメリカ連邦準備制度理事会は金利を据え置く可能性が高い。あるオブザーバーは、ハト派的な動きがビットコインに良い影響を与える可能性があると述べている。

暗号資産(仮想通貨)の時価総額は1週間で1兆6100億ドル(約241兆円、1ドル=150円換算)から1兆7400億ドル(約261兆円)に跳ね上がり、ソラナ(SOL)、アバランチ(AVAX)、インターネットコンピューター(ICP)などの代替暗号資産(アルトコイン)が回復の先陣を切っている。

ベロ・データ(Velo Data)によると、SOLは27%上昇して103ドルとなり、1月11日にアメリカでスポットビットコイン上場投資信託(ETF)がデビューした後に見られた損失から回復した。この上昇は、ソラナベースの取引アグリゲーターであるジュピター(Jupiter)へのユーザーの関心が急上昇している中で起きたもので、ジュピターは1月29日には取引高が5億ドル(約750億円)を突破し、業界をリードする分散型取引所(DEX)であるユニスワップ(Uniswap)を上回った。

イーサリアムのライバルであるアバランチのネイティブ・トークンであるAVAXは1週間で25%以上上昇し、ICP、ニアプロトコル(NEAR)、ポルカドット(DOT)、モネロ(XMR)などのトークンは13%から22%上昇した。

時価総額最大の暗号資産であるビットコイン(BTC)は10%近く上昇し、50日単純移動平均(SMA)の4万2870ドルを上回って取引されている。この水準を上回ったり下回ったりするクロスオーバーは、強気または弱気の勢いが強まるシグナルと言われている。

イーサリアム(ETH)は、時価総額第2位のコインであるが、わずか0.6%の上昇にとどまっている。このパフォーマンスの低さは、マーケットメーカーが値動きの方向と逆に取引することで、価格の上振れを阻止していることに起因しているようだ。

FxProシニアマーケットアナリストのアレックス・カプチケヴィッチ(Alex Kuptsikevich)氏は電子メールで、「アルトコインの過去6日間の一貫したポジティブなパフォーマンスは楽観論を作り出し、ビットコインが4万6000ドルをテストするための準備をしている」と述べた。「主要アルトコインのアウトパフォームは、2大コイン以外にも市場参加者の関心が広がっていることを示している」。

カプチケヴィッチ氏は、ビットコインが50日SMAを上回ったことは重要だが、強気傾向を示す確実な証拠はまだなく、アルトコインのアウトパフォームは長く続かない可能性もあると述べた。

「今年は小型のアルトコインやミームコインに対する持続的な需要は期待できない。それは通常、長期にわたる強気相場の後に起こるものだ」とカプチケヴィッチ氏は指摘した。

1月23日以降の暗号資産のパフォーマンス。(Velo Data)

FRBに注目

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は協定世界時(UTC)1月31日午後7時(日本時間2月1日午前4時)に金利を発表する。その30分後にジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が記者会見し、決定内容と政策方針について説明することになっている。

FRBは、基準となる金利を5.25%から5.5%の間に据え置く可能性が高く、最初の利下げを従来予想されていた3月ではなく5月に実施すると市場は予想している。

焦点は、FRBが2022年3月に始まり、2022年6月にピークに達した11回におよぶ利上げの連鎖、いわゆる金融引き締めをどの程度のスピードで解除するつもりなのかだ。

「市場はFRBのトーンに敏感で、ハト派的な(金融緩和)シフトはリスク選好を高め、ビットコインや関連ETFへの資金流入を増やす可能性がある」とタガス・キャピタル(Tagus Capital)は30日のデイリーニュースレターで述べている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:SOL, AVAX Lead Crypto-Market Recovery, Bitcoin Tops 50-Day Average Before Fed Meeting