ステーブルコイン発行者は送金事業者、規制は変わらない:金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)

ステーブルコイン発行者は送金事業者、規制は変わらない:金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)

Brady Dale
公開日:2019年 11月 21日 06:00
更新日:2019年 11月 21日 06:00

金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)は、すべてのステーブルコインは「送金サービス」を保護するというFinCENの管轄内に収まると考えている。FinCENのディレクター、ケネス・ブランコ(Kenneth Blanco)氏はそう語った。

ステーブルコインは送金サービス

11月15日(現地時間)にニューヨークで開かれたカンファレンス「チェイナリシス・リンクス(Chainalysis Links)」においてブランコ氏は、FinCENはその定義にステーブルコインを含める際には「技術的に中立」な立場を守っていると述べた。

「ステーブルコインが通貨、コモディティ、あるいはアルゴリズムに裏付けられていても関係ない。ルールは同じ」とブランコ氏は述べた。

アメリカのアンチマネーロンダリング(AML)規制当局であるFinCENによるこの明確化は、ブランコ氏がステーブルコイン管理者はマネー・サービス・ビジネス(Money Service Business:MSB)としてFinCENに登録しなければならないと断言したためだ。

財務省の組織であるFinCENは、取引記録やデータを精査することによって、マネーロンダリングやその他の金融犯罪を捜査する。

ステーブルコインを送金サービスとし、その管理者をMSBとして、その管轄下に含めることは、ステーブルコインを取り扱う企業は、銀行秘密法(Bank Secrecy Act)のもとで定められた顧客確認(KYC)とAML関連の法律に従わなければならないことを意味する。

ステーブルコインは準備資産に基づいて発行される──多くの場合、1対1で米ドル、または通貨バスケットに連動している。しかし、安定性を確保するために他のメカニズムを使うこともできる。メーカーダオ(Maker DAO)のトークン、ダイ(Dai)はリバランスのためにアルゴリズムを使っている。

一方、ビットコインは自由に取引される。

ブランコ氏によると、この区別は無用のものだ。

「なぜなら、バナナだと主張しても、バナナになれるわけではない」

「FinCENはそのラベルに関わらず、同じレベルやリスクで同じ機能を提供するいかなる行為にも、同じ技術的に中立な規制フレームワークを適用する。どんなラベルを貼るかではなく、重要なのは実際の行為」

ブランコ氏の発言は、仮想通貨分野で急速に進化しているステーブルコインに対して、法的な明確さを加えることになる。

最初のガイダンスは2008年

しかし、ステーブルコインのコンセプトは新しいものではないとブランコ氏は15日に述べた。FinCENは仮想通貨の黎明期にステーブルコインの研究を開始し、2008年に最初のガイダンスを発表した。同氏は、一般の関心の高まりによって、明確化が必要となったと述べた。

FinCENの過去の決定では、ICO(新規コイン公開)発行者と、より最近では一部の分散型アプリケーションを送金サービスとして検討した。

15日の発言は、ブランコ氏の最近の論点を改めて強調した。すなわち、規制を守らなければ言い訳はできない。送金においても、金融活動作業部会(FATF)のトラベル・ルールの要件においても同じことだ。

「時速150マイル(約240キロ)でしか走れない車を作り、我々に制限速度を変えるよう要求することはできない。そうはならない。制限速度に合う車を開発しなければならない」

翻訳:山口晶子
編集:増田隆幸
写真:Donna Burton/Filckr
原文:FinCEN: Stablecoin Issuers Are Money Transmitters, No Matter What