2019年、仮想通貨10大ニュース──アメリカ政府、シリコンバレー、中国政府が対立した1年

2019年、仮想通貨10大ニュース──アメリカ政府、シリコンバレー、中国政府が対立した1年

Brady Dale
公開日:2019年 12月 27日 08:40
更新日:2019年 12月 27日 08:41

2019年は仮想通貨とブロックチェーン技術にとって歴史的な1年となった。

中国の習近平国家主席、アメリカのドナルド・トランプ大統領といった世界のリーダーが、この革新的なテクノロジーのダイナミクスに取り組むという公式声明を発表した。

メッセージアプリ大手のテレグラム(Telegram)やソーシャルメディア大手のフェイスブック(Facebook)など、既存のテクノロジー企業が、仮想通貨を自社の製品やサービスに統合するという大胆な約束を行った。

これはすべて、この1年に仮想通貨の世界で起きたことのほんの一部。CoinDeskのリサーチチームがまとめた、2019年の最も影響力が大きかった10大ニュースを時系列で紹介しよう。

ビットコイン価格(黄線)およびグーグルでの「ビットコイン」検索数(黒線)と、10大イベント

1. イーサリアムのハードフォーク「コンスタンティノープル」:2月28日

数度の失敗を重ねた後、時価総額で世界第2位のブロックチェーンは6度目となるシステム全体のアップグレードを行った。こうしたアップグレートは「ハードフォーク」とも呼ばれる。

「コンスタンティノープル」と名付けられたこのハードフォークは、アップグレードが実行されるわずか数時間前に見つかった重大な脆弱性を修復するため、連続して2つのアップグレードが行われた。

2. バイナンスがハッキング被害:5月7日

4070億ドル(約44億円)相当のビットコインが、世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスから盗まれた。バイナンスは自社のSAFUファンド(Secure Asset Fund for Users)を利用してユーザーの損失を補てんした。

CEOのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao)氏は「困難な時期の中、透明性の維持に努めるとともに、皆様のご支援に感謝します」との文書を発表した。市場はこのハッキングに反応し、ビットコイン価格は約300ドル下落した。

3. ビットメックスでフラッシュクラッシュ:5月17日

仮想通貨取引所ビットスタンプ(Bitstamp)を通して行われた突然かつ大規模な売り注文によって、ビットコイン価格は突然15%下落した。わずか15分で7700ドルから6600ドルまで下落し、仮想通貨トレーダーの間のポジティブなムードは一変した。

フラッシュクラッシュ(瞬間的な暴落)の原因については、市場操作を含めて、まだ多くの憶測が飛び交っており、仮想通貨業界で議論が続いている。

4. リブラ(Libra)発表:6月18日

この夏、フェイスブック(Facebook)は仮想通貨プロジェクト「リブラ」を発表した。リブラは「低ボラティリティー」な仮想通貨による国際決済を促進する許可型ブロックチェーン・ネットワークとして設計されている。

リブラが発表されるとすぐに米規制当局はフェイスブックのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOを議会に召喚し、プロジェクトに関する証言を求めた。規制当局の懸念や躊躇にかかわらず、リブラの開発が今後どのように進むのかは2020年も要注目。

5. パウエルFRB議長、ビットコインに言及:7月11日

FRB(米連邦準備制度理事会)のジェローム・パウエル(Jerome Powell)議長が上院銀行委員会でリブラについて証言。リブラは「多くの深刻な懸念」を引き起こしていると述べる中、パウエル議長はデジタルゴールドとしてのビットコインのストーリーとリブラを比較した。

仮想通貨業界のリーダーはパウエル議長のビットコインについての発言に反応し、デジタルカレンシーグループ(Digital Currency Group)のCEOバリー・シルバート(Barry Silbert)氏は「我々はここまできた」とツイートした。

6. バックト、ビットコイン先物を開始:9月23日

インターコンチネンタル取引所(Intercontinental Exchange)の子会社バックト(Bakkt)は9月、数度の延期と、米規制当局との1年以上にわたるやりとりを経て、ようやくビットコイン先物をローンチ。米機関投資家に初めて現物決済のビットコイン先物を提供した。

ビットコイン先物のローンチから3カ月が経過し、バックトの取引高は過去最高の1億2400万ドル(約135億円)に達した。0

7. ブロックワン、SECの罰金支払いに合意:9月30日

これまでで最も収益性の高いICO(イニシャル・コイン・オファリング)はイオス(EOS)ブロックチェーンのクリエーター、ブロックワン(Block.One)によるもの。

2019年、41億ドル(約4450億円)を調達したとされるイオスのICOセールスに対するSEC(米証券取引委員会)の罰金が最終的な合意に達した。ブロックワンはSECに対して、調達金額の0.58%、2400万ドル(約26億円)を罰金として支払う。

8. SEC、テレグラムのトークン発行を差し止め:10月11日

史上2番目の規模となるトークン発行は、メッセージアプリ大手テレグラムによって行われた。テレグラムは「TON」のICOのために17億ドル(約1850億円)を調達したと伝えられ、2019年10月に仮想通貨をローンチする予定だった。

だがSECは同社を未登録の有価証券セールスで訴え、トークン発行の差し止めを命じた。SECによるテレグラムに対する訴えはまだ解決していない。

9. 中国の習近平国家主席、ブロックチェーンを推進:10月25日

中国の習近平国家主席は2019年、ブロックチェーン技術について初めて詳細な発言を行った。他の多くの国のリーダーとは異なり、習主席はブロックチェーンがもたらす「機会をつかむ」よう促した。

習主席はブロックチェーンシステムに対する「法の支配」の導入は、ブロックチェーン技術の開発に不可欠と強調した。この目的に向かって、中国は現在、デジタル人民元を開発している。

10. ERC20のトランザクションがイーサリアムを上回る:11月10日

11月、イーサリアムベースのトークン取引高がイーサリアム・ブロックチェーン上のネイティブのイーサリアムを上回った。ブロックチェーンデータ・スタートアップ企業のコインメトリックス(CoinMetrics)が最初に明らかにしたところによると、このトランザクションの「逆転劇」は世界第2位のブロックチェーン・ネットワークにとってマイルストーン。

イーサリアムのユーザーはついに当初想定された設計、つまり分散型アプリケーションのためのプラットフォームの開発・実行という設計のためにこの技術を利用している可能性があることを示している。

翻訳:Emi Nishida
編集:増田隆幸
写真:CoinDesk
原文:2019: The Year Washington, Silicon Valley and Beijing Faced Off Over Crypto