三井物産、LayerXとデジタル資産運用で共同会社──SMBC日興、三井住友信託銀も参画【ブロックチェーン】

三井物産がブロックチェーン事業を手がけるLayerXと共同で、4月に次世代アセットマネジメント会社を設立する。SMBC日興証券、三井住友信託銀行も参画する。LayerXが3月19日、発表した。

三井物産は不動産などのオルタナティブ資産を対象としたアセットマネジメントに強みを持つ。金融商品の知見や発行体や投資家へのアクセスがあるSMBC日興証券と、実物資産を証券化する実績が豊富な三井住友信託銀行も手を組み、ブロックチェーン技術に強いLayerXがシステムを開発する。

社名は三井物産デジタル・アセットマネジメント(仮)で、設立は4月を予定している。資本金は5億円を見込み、出資比率は三井物産が54%、LayerXが36%で、SMBC日興証券と三井住友信託銀行は5%ずつ。

新会社 三井物産デジタル・アセットマネジメントの4つの目標

新会社では、システム開発や実証ファンドの組成をするという。システムは実証版の開発を完了している。三井物産のグループ企業も参画し、投資案件のソーシングやファンド組成、販売流通で協力する。

発表では、新会社設立の背景・理由を挙げた。不動産をはじめとした実物資産の証券化商品には、限られた投資家しかアクセスできない現状があること、証券化や証券の管理では複数の人手が介在するなどコストがかかっており、改善の余地が大きいことなどを指摘した。

同社が目指すのは具体的には、以下の4点の実現だ。

(1) 取引、管理、執行の各時間コストを削減
(2) 運用会社の透明性向上
(3) ファンド設計の規格化、小口化、適切な流動性の付与
(4) 従来ではコスト面等で割に合わなかった投資対象の証券化

文:小西雄志
編集:濱田 優
写真:各社Webサイトより