【為替】米ドル円の見通し、FX各社などの最新予測まとめ(9月第4号)

前回の記事(https://www.coindeskjapan.com/122538/)に引き続き、本記事では以下6社のシンクタンクおよび金融機関の為替相場見通しをまとめる。

  • 日本総合研究所
  • SOMPMOアセットマネジメント
  • ヒロセ通商
  • マネックス証券
  • ソニーフィナンシャルホールディングス
  • みずほ銀行
    ※発表が早い順

なお、各社の予想は執筆時期が異なる点(公表は2021年9月14日~21日)、また将来の値動きについて保証するものではない点に留意してほしい。

日本総研、ドル円は当面上値が重いと予想

日本総合研究所は9月14日、「為替相場展望(2021年9月号)」において、為替相場を以下のように予想した。

日本総研 為替相場見通し

 2021年
10~12月
2022年
1~3月
2022年
4~6月
米ドル円106─114
(110)
108─116
(112)
109─117
(113)
ユーロ円125─137
(131)
125─137
(131)
127─139
(133)
ユーロ米ドル1.14─1.22
(1.18)
1.13─1.21
(1.17)
1.14─1.22
(1.18)
※()は期中の平均

「米ドル/円」は当面上値が重い展開を予想。FRB(米中銀)の利上げ開始時期の前倒しや利上げペースの加速などまでは織り込まれにくいと見込む。

2022年入り後はテーパリング完了後の利上げに対する思惑が高まりやすいとし、「米ドル/円」に上昇圧力がかかりやすいと指摘した。

SOMPOアセット、ドル円の限定的な上昇を予想

SOMPOアセットマネジメントは9月15日、「経済・金融市場見通し(2021年9月)」において、為替相場を以下のように予想した。

SOMPOアセット 為替相場見通し

 2021年
12月末
2022年
3月末
2022年
6月末
米ドル円110.50111.50112.50
ユーロ円131.50133.24135.00

余地は限られるとするも、「米ドル/円」の上昇を予想した。当面は横ばい圏内での推移を見込むも、米経済の回復期待や金融政策の正常化が米ドル高圧力になると指摘。ただし米国労働市場の回復に不透明感があるとし、上昇余地は限られるとした。

ヒロセ通商、9月20~24日ドル円を108~111円と予想

ヒロセ通商は9月17日、「fx wave weekly(2021年9月17日)」において、為替相場を以下のように予想した。

ヒロセ通商 為替相場見通し

 2021年
9月20日~24日
米ドル円108.0─111.0
ユーロ米ドル1.15─1.20

「米ドル/円」は21~22日のFOMC(連邦公開市場委員会)の金利予測分布図(ドット・プロット)が注目されるとみる。タカ派な内容であれば米ドル買い要因だが、慎重な声明文にとどまれば伸び悩むと指摘。

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マネックス証券、FOMC後の金利上昇とドル高を予想

マネックス証券チーフ・FXコンサルタント「吉田 恒」氏は9月21日、FOMC後は米金利上昇とそれに伴う米ドル高が進む可能性が高いと予想。9月FOMCでテーパリング(金融緩和の縮小)開始が決まった場合はもちろん、年内のテーパリング開始の見通しが不変だと確認されただけでも米2年債利回りが上がり、「米ドル/円」を後押しするとした。

ただし米国株の下落には注意を促した。9月から下落傾向がみられ、仮に120日移動平均線から下放れに向かうなら株高トレンドが終わり、「米ドル/円」は株安に連動して下落に向かう可能性が高いとみる。

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ソニーフィナンシャル、9月20~24日ドル円を108.6~110.5円と予想

ソニーフィナンシャルホールディングスは9月21日、「Weekly FX Market Focus(2021年9月21日)」において、為替相場を以下のように予想した。

ソニーフィナンシャル 為替相場見通し

 2021年
9月20日~24日
米ドル円108.6─110.5
ユーロ円127.0─129.5

FOMC後、金利上昇に伴う株安→円高シナリオを警告した。6月の金利予測分布図(ドット・プロット)は18名中7名が2022年中の利上げを予想していたが、今回のFOMCで利上げを見込むメンバーが増えると「利上げが早まる」というメッセージになると指摘。

足元は米国の債務上限問題や中国の恒大集団デフォルト問題からセンチメントが悪化しており、利上げのメッセージが一段の株安となり、円高となる可能性に注意を促した。

みずほ銀行、9月20~24日ドル円を108~110円と予想

みずほ銀行は9月21日、「今週の為替相場見通し(2021年9月21日)」において、為替相場を以下のように予想した。

みずほ銀行 為替相場見通し

 2021年
9月20日~24日
米ドル円108.0─110.0
ユーロ円127.5─129.0
英ポンド円150.0─152.0
豪ドル円78.0─80.5

9月FOMCにおいて、次回11月FOMCでもテーパリング開始が発表されない可能性が示唆された場合、「米ドル/円」は下落に向かうと予想した。

月初に公表された雇用統計が予想を下回ったことから、今回FOMCでテーパリング開始が決定されないことにサプライズはないと指摘。しかし次回でも決定がなされない可能性について示唆されれば失望感から売りを招くとみる。

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|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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