大日本印刷とGaudiy、コンテンツ事業で提携──メタバースでのサービス開発も視野

大日本印刷(DNP)と、ブロックチェーン技術を活用してエンターテインメントのデジタル化を支援するGaudiyが、アニメ・マンガ・ゲームを中心とするコンテンツの新たな事業を共同で開発する。

DNPとGaudiy(本社:東京都新宿区)は1月18日、新たなコンテンツサービスの創出を目指して、業務提携すると発表した。取り組みの一つとして、21日から東京・渋谷の「東京アニメセンター」で開かれる『約束のネバーランド POP UP SHOP(ポップアップ・ショップ)』と連動する、ジェネラティブアートを活⽤したデジタルコンテンツを提供する実証実験を始める。

『約束のネバーランド(約ネバ)』:「週刊少年ジャンプ」の連載からテレビ・アニメ化と映画化を経て人気をおさめてきた作品。

ジェネラティブアート:コンピュータを使って、創造プロセスの⼀部に意図的に偶然性を取り⼊れたプログラムで作られたアートのこと。

印刷と情報技術を強みとするDNPは、現実世界(リアル)と仮想世界(バーチャル)を融合させて新たな体験価値をつくるXR(Extended Reality)事業を進めている。アニメ・マンガ・ゲームのコンテンツホルダーと連携し、コンテンツとファン、企業をつなげる取り組みを行っている。

2社は今後、メタバースなどの新領域における新たな価値創出と、未来のファンサービスの手法などを、共同研究を通じて開発する計画だ。NFT(ノン・ファンジブル・トークン)を活用したコンテンツの流通を広げながら、例えば、ファンが集まるバーチャルコミュニティを作り、好きなアイドルやキャラクターのグッズやアイテムを集めたり、コンテンツを応援するファン同士が交流できる場の開発も検討する。

Gaudiyは、音楽やゲーム、マンガ、アニメなどのエンタメのデジタル化を支援するブロックチェーン企業で、IP(知的財産)とファンで構成するトークンエコノミーを作り上げ、次世代のユーザー体験を創出する事業を手がけている。

『約束のネバーランド(約ネバ)』の体験型ミュージアムが昨年、東京・六本木で開かれたが、GaudiyはNFTを活用したコミュニティサービスを開発している。

NFT(ノン・ファンジブル・トークン=非代替性トークン):ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンで、アートやイラスト、写真、アニメ、ゲーム、動画などのコンテンツの固有性を証明することができる。

|編集:佐藤茂
|トップ画像:東京・渋谷のスクランブル交差点(Shutterstock.com)