シルバーゲート破綻の影響/天才を装ったバンクマン-フリード氏の愚かさ【日曜日に読みたい厳選10本】

シルバーゲートの過去の財務数字の多くは、2022年の一連の騒動が暗号資産業界を揺さぶるよりも前、2021年には同行がピークを迎えていたかもしれないことを示している──今週公開されたコラムやインタビューから、日曜日に読みたい10本を厳選。

シルバーゲート前、シルバーゲート後──破綻懸念が業界に及ぼす影響は

金融業界メディア「American Banker」は1月、暗号資産業界にフレンドリーな2つの銀行、シルバーゲート(Silvergate)とシグネチャー(Signature)が連邦住宅貸付銀行(FHLB)から多額の借り入れをしていると報じた。FHLBは住宅ローンなどを手がける銀行を支援する政府支援機関。

暗号資産業界の一部の関係者にとって、これは心の痛むニュースだった。…続きを読む

シルバーゲート、暗号資産ビジネスの興亡

シルバーゲート銀行は2022年最後の数カ月だけで、80億ドル(約1兆800億円、1ドル135円換算)以上の預金を失った。同行の中核事業が暗号資産業界の混迷にともない低迷する中でのことだ。FRB(米連邦準備制度理事会)をはじめとする銀行規制当局はこうした流動性リスクを警告していた。

預金基盤の突然の喪失はシルバーゲートにとって、複数の懸念事項の1つに過ぎなかった。…続きを読む

天才を装ったバンクマン-フリード氏、あまりの愚かさが明らかに

lev radin / Shutterstock.com

サム・バンクマン-フリード氏とその一味について、ずっと頭から離れない疑問がある。彼らは何を目指していたのだろう?

彼らの不正行為の驚くべき規模から考えても、バンクマン-フリード氏や共犯者たちは、自分たちの自由や尊厳を保ったまま、不正行為の追求からどうやって逃げようとと考えていたのだろうか?…続きを読む

大人になる時──暗号資産の未来に必要なことを伝統的金融の専門家に聞いた

暗号資産(仮想通貨)の未来は伝統的金融(TradFi)の投資家にかかっている。銀行や資産運用会社のことではなく、年金基金、寄付基金、財団、大規模なファミリーオフィスなど、大規模な資金を長期間、継続的に運用することを任された投資家のことだ。暗号資産がその変革的な潜在能力を発揮するには、これらの機関投資家からのお金が必要だ。

こうした投資家が暗号資産についてどのように考えているのかを理解するために、15人の投資家に話を聞いた。…続きを読む

暗号資産市場の未来、アジアでの展開が牽引する

米中の緊張が高まるなか、政治の専門家は外交の行方に注目しているが、金融規制においては、静かな戦いが始まろうとしている。今のところは局地的だが、グローバル市場では、長く局地的なままでいられるものはない。その影響は、暗号資産市場をはるかに超え、現在の変わりゆく情勢下では、地政学的にかつてないほど大きな経済的影響力をもたらすかもしれない。…続きを読む

ダサい開発者イベントに潜む本当の価値とは── ETHDenverが体現する真のコミュニティ

Danny Nelson/CoinDesk

イーサリアムブロックチェーンでスマートコントラクトやDeFi(分散型金融)に携わる開発者にとって、おそらく今、最も重要なイベント「ETHDenver」が先週、閉幕した。私も参加したかったが、悪事を公にする過酷な4カ月を過ごし、疲労困憊していた。

ありがたいことに、多くの人がイベントの動画をアップしていたので、私もその場にいたかのように楽しむことができた。しかし残念なことに、投稿の多くは一般的にはダサいと思われているETHDenverに対する無邪気な戸惑いと冷笑のような何かを表していた。…続きを読む

コード vs 価値観:信頼をめぐる暗号資産の“ねじれ”

暗号資産では「トラストレス」という言葉がよく使われている。だが多くの人は、その意味について混乱している。文脈によって、複数の意味を持つ可能性のある曖昧な言葉だ。

「シュガーレス」は「シュガー(砂糖)が無い」という意味なのだから「トラストレス」は「トラスト(信頼)が無い」という意味になるはず。だが、信頼の欠如は悪いことではないのか?…続きを読む

ビットコインマイニング、電力と環境にメリット

米上院環境公共事業委員会は今週、デジタル資産と環境に関する公聴会を開催する。公聴会は、ビットコイン(BTC)のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)によるマイニングプロセスだけにほぼ特化したものとなる予定だ。

シンプルに言ってしまえば、ビットコインマイナーはコンピューターを使って、ビットコインネットワークの安全性を保ち、取引を処理している。その見返りにマイナーは報酬としてビットコインを受け取る。…続きを読む

パスワードを忘れたNFTウォレット、美術館に寄付しませんか?

NFTコレクターにとって悪夢のような出来事だ。2021年4月、Web3インフルエンサーのファロク・サマド(Farokh Samad)氏は、きわめて貴重な「Bored Ape Yacht Club」のNFTなど、87個のNFTを保管していたウォレットのシードフレーズ(パスワード)を忘れてしまった。

保有していたNFTの価値は当時、約250イーサリアム(約85万ドル、約1億1600万円)だったが、無価値も同然となった。シードフレーズがなければ、ウォレットにアクセスできず、NFTを売却することもできない。…続きを読む

国内法人がWeb3事業を推進するうえでのポイント:HashHub Research

Web3というバズワードが注目を浴び、さまざまな企業がブロックチェーン技術を応用した事業への参入を検討しています。弊社でも金融、ゲーム、IPコンテンツ、コンサルなどのカテゴリの企業から相談を受けており、共通の課題とそれをどのように解決したかの知見を貯めています。その経験から、企業内の新事業としてブロックチェーンを扱う場合の失敗と成功のポイントを説明します。…続きを読む

|文・編集:coindesk JAPAN編集部
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