中国銀行、3000億円分の債券をブロックチェーンで発行——アリババ子会社や中国工商銀行に続く動き

中国の4大商業銀行の1つである中国銀行は、ブロックチェーンベースで200億人民元(約3000億円)分の債券を発行した。これは、小規模企業、零細企業の資金調達に関係したものである。

同行は2019年12月6日、債券の価格設定と発行を完了させたと発表した。声明によれば、2年債が3.25%のクーポンレートで市場に登場する。同行は、小規模企業を支援するための資金調達を目指している。

同行は「今回のプロセスにおいて、独自のブロックチェーン基盤の債券発行システムを利用した」と、声明の中で述べ、次のように続けた。「中国では初のブロックチェーンに基づいた債券発行の台帳システムである」

所有者を証明し、引受人のグループを形成し、取引の証明を記録するデジタル証明書の発行のために、中国銀行は独自のブロックチェーンシステムを利用した。

今回の債券発行は、資金へのより効率的なアクセスで起業家を支援するための中国の取り組みの一環だ。9月までに、41万を超える小規模、零細企業に4040億人民元(約6兆2400億円)を貸し付けたと同行は述べた。

中国工商銀行、アントフィナンシャル、サンタンデール

中小企業向けの資金融資は、中国の銀行や金融サービス企業にとって、主要なブロックチェーンユースケースの1つであった。

資産額が世界最大の銀行である中国工商銀行は2018年2月、中小企業に対して、ファクタリング(企業が即金での支払いの為に、売掛債権を第三者に割引で販売する取引)のサービス提供を、ブロックチェーンプラットフォーム上で開始した。

テック企業大手アリババ(Alibaba)のフィンテック部門アント・フィナンシャル(Ant Financial)は、3カ月以内に中小企業向けに、より信頼できる金融サービスを提供するために独自のブロックチェーンプラットフォームをローンチすると発表した。

中国以外では、スペインの大手銀行サンタンデール(Santander)が9月に、債券発行プロセスを加速することを目指してイーサリアム上で取引される2000万ドル(約22億円)の債券を発行した。

翻訳:山口晶子
編集:T.Minamoto
原文:Bank of China Issues $2.8B in Bonds for Small Businesses Using Blockchain Tech