ビットコイン値上がりの一方、世界の株価や米国債が低迷

ビットコイン値上がりの一方、世界の株価や米国債が低迷

従来からの金融商品市場で強力な売りが続く中、ビットコインは堅い値上がりを見せた。

この状況は、時価総額でトップの仮想通貨であるビットコインが株式や国債の利回りと並んで劇的に値下がりした2月最終週とは対照的だ。

ビットコイン(BTC)は、2020年3月5日のアジアでの取引時間中に8800ドル(約93万円)付近を記録し、同日中に9150ドル(約96万円)超えまで値上がりした。それ以来、ビットコイン価格は9000ドル(約95万円)を優に超えた価格をおおむね維持している。

CoinDeskのビットコイン・プライス・インデックス(Bitcoin Price Index)によれば、当記事執筆時点ではビットコインは9100ドル(約96万円)で取引されており、3月6日1時(協定世界時)での心理的な支持線である9000ドルへの一時的な値下がりを守って、24時間で2%の値上がりを見せている。

ビットコインが強気な値動きをする一方、従来からの金融商品市場はリスク回避的な取引を見せており、株価は下落、ゴールドや国債への需要の高まりが利回りを減少させている。

当記事執筆時点では、ドイツのDAXやフランスのCAC 40、イギリスのFTSE 100をはじめとする主要なヨーロッパのインデックスは1.5%〜2.2%下落している。アジアの株式市場も3月6日には下落し、ウォールストリートの指標銘柄インデックス、S&P 500は目下1%下落している。

さらに、米国債10年物の利回りは現在0.8%未満の史上最低水準となり、前日比で13ベーシスポイント下落した。

典型的に安全な避難先資産であるゴールドは、1オンスあたり1681ドル(約18万円)と、11日ぶりの高値を記録した。

つまり、投資家らがリスク資産を売り、安全な避難先資産を買っていることは明らかである。その理由はおそらく、コロナウイルスの流行が世界的な大流行となるおそれを見せ始めており、以前に見込まれたよりもずっと大きなダメージを世界経済に与える可能性があるからだろう。

ビットコインは安全な避難先資産か、リスク資産か?

株式市場におけるリスク回避と、FRB(連邦準備制度理事会)によるさらなる利下げの可能性が高まる中、ビットコインが値上がりをしていることを考慮すると、ビットコインの(大いに議論されている)安全な避難先資産としての論調は、再び強まる可能性がある。利率市場は、FRBが今週緊急利下げを行った後、3月18日(現地時間)の政策会議で50ベーシスポイントの利下げを再び行うと考えている。

ビットコインが、アンチリスク資産なのかプロリスク資産なのか、という点において、仮想通貨市場では意見が割れている。

モルガン・クリーク・デジタル(Moragn Creek Digital)のアンソニー・ポンプリアーノ(Anthony Pompliano)氏をはじめとする著名な観測筋は、ビットコインは金融緩和に対するヘッジであるという意見を掲げており、ビリオネア投資家のマイケル・ノボグラッツ(Michael Novogratz)氏は、ビットコインはアンチリスク、すなわち安全な避難先資産と考えている。

しかしこれらの主張には、ビットコインが先週の株式市場における売りの際に値上がりしなかったという事実で対抗することができる。SP 500は2月最終週、4%下落し、ビットコインも並んで13%値下がりした。

そしてコロナウイルスの脅威が2月を通して市場感情を支配する中、ビットコインは8.5%の値下がりに苦しんだ。

「世界的大流行への懸念が強まる中、ここ数週間のビットコイン価格の動きを見ると、ビットコインは自認する通りの安全な避難先資産というよりは、高リスク資産としての値動きを続けていることは明らかである」と、CoinDeskのコラムニストでオープン・マネー・イニシアチブ(Open Money Initiative)の共同創業者ジル・カールソン(Jill Carlson)氏は指摘した。

それでも、ビットコインは株価との強力な正の相関関係を持っている訳でもない。たとえば2019年上半期、S&P 500が約10%も上昇したにも関わらず、ビットコインは1万3000ドル(約137万円)から6500ドル(約68万円)へと値下がりした。

結局のところ、ビットコインは他の資産クラスとは強い相関関係にないようだ。安全な避難先資産になる可能性もあるが、カールソン氏によれば、それには啓蒙のための大いなる投資が必要となる。

テクニカル分析の観点から言うと、ビットコインはより高い抵抗線レベルへの上昇を続けていくようだ。

4時間足チャート

ビットコインは3月6日の早い時間の9000ドル(矢印にて表示)から値上がりし、3月3日に確かめられた逆向きのヘッドアンドショルダーブレイクアウトによって提示された9550ドル(約101万円)への値上がりの主張を強めた。

このブレイクアウトは、相対力指数インデックスでの50を超えた強気の数字にも裏付けられている。

日足チャート

MACDヒストグラムが強気を支持して高めの安値を見せている中、ビットコインは上向きだ。さらに5日間平均は10日間平均の上で交差し、市場感情が強気にシフトしたことを示している。

(2月4日の安値)9312ドル(約98ドル)での抵抗線は、週末にかけて試される可能性があり、この抵抗線を超えると、逆向きのヘッドアンドショルダーブレイクアウトのターゲット、9550ドルが見えてくる可能性もある。

その代わりに、かつてのハードルが指示線となった、逆向きヘッドアンドショルダーネックラインの9000ドルを下回るところで価格が受容されれば、一部の買い手は市場を退出し、8704ドル(約92万円)の200日平均への引き戻しを生む可能性もある。 

3月2日に確かめられた強気の逆同時線パターンが間違っていることを示すには、(3月1日の安値)8410ドル(約89万円)未満で取引終了することが必要となる。そうすれば、2月の1万500ドル(約111万円)付近からの値下がりの継続が示唆されることになる。

※筆者は記事執筆時点で仮想通貨を保有していない。

翻訳:山口晶子
編集:T. Minamoto
写真:Shutterstock
原文:Bitcoin Maintains Gains as Global Equities Slide, US Yield Hits Record Lows

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